1月13日の第2土曜日は鹿島鉄道の駅を全部降りてきました。

katamachi2007-01-14

 鹿島鉄道は16年前の夏に一度乗ったきりになっていました。その後、再訪する機会を捻出できず、昨年3月に廃止届が提出された後もなかなか食指が伸びませんでした。私の鉄道趣味意欲をかき立てる要素が少なかったという側面も否定しません。
 で、今回、現地を訪れて、ああ、もう少し早く来ていれば……というのが正直な感想です。旧型の気動車は確かに魅力的です。

鹿島鉄道に5000円ぐらい投資してきました。

 関東への旅2日目は、水戸から出発。鹿島臨海鉄道で新鉾田へ行き、タクシーに乗り込みました。鉾田駅まで1.5km、650円。
 16年ぶりの鉾田駅でしたが、映画館と看板建築の様式を混ぜ合わせたような駅舎のファサードは記憶に残っていました。
 予定していた10:04発の列車まであまり時間がないので、フリー切符1100円と隣駅までの硬券を大人と小人1枚ずつ買い求め(入場券は売り切れ)、ホームに停まっていたKTR505に乗り込みました。趣味団体が駅本屋で模型運転会をやっていたようで、入場すると硬券切符風のチケットをもらえたようなのですが、見る時間がなかったのは残念。
 あとは、
 鉾田駅→榎本駅→坂戸駅→借宿前駅→巴川駅→玉造町駅→(徒歩)浜駅→常陸小川駅→小川高校下駅→四箇村駅→新高浜駅→八木蒔駅→桃浦駅→玉里駅→石岡南台駅→東田中駅→石岡駅
って感じで回りました。石岡到着は16:43。マジ買いしていたら3000円をはるかに超える金額がかかったと思いますが、フリー切符だと1100円*1。十二分に元を取りました。まあ、有人駅で硬券や記念切符を数千円は買っているのでそれなりには貢献もしていると思うのですが……

鹿島鉄道線の車両・運用・切符の話

 後は、線内の情報。

  • 旧型気動車は、キハ601、キハ714、キハ432が3両走っていました。ダイヤや運行を下調べせずに現地へ行ったのですが、昨日は第2土曜日で、月に一回のキハ714の運行日だっのですね。次は2月10日と3月10日が第2土曜日となるので、3タイプが揃い踏みするのでしょうか。まあ、地元の方の話だと、その他の土日でもマニア向けのサービスで旧型気動車が運用に入る日は多そうですが。
  • 東京方面からのアクセスがいい石岡10:29発は5分ほどの遅れ。非ワンマン対応のキハ714が入っていたので、車内に入りづらいほど混み合っていた。他の列車はそれほどでもなかった。
  • キハ601の運行は、石岡11:31→12:24鉾田12:42→13:34石岡13:36→14:28鉾田14:52→15:44石岡と2往復していました。鉄道省キハ07を改造したタイプ。川崎車輌、1936年製と日本で一番古い現役気動車のはずなのですが、その面影は何もない。ただ、食パン顔好きとしては、たまらない風貌の車両です。チョロQ号という名前がついているのは昨日初めて知りました。公式だと、ここを参照。情報は古いようですが
  • キハ714は、石岡10:29→11:22鉾田11:55→12:47石岡の運用で1往復していました。新潟鉄工所1953年製のの元夕張鉄道車。公式だと、ここを参照。。ワンマン対応ではないのであまり運用に入らないのですかね。

  • キハ432は、石岡12:31→13:24鉾田13:26→14:18石岡の運用に入って1往復していました。東急車輛、1957年製の元加越能鉄道から転属した湘南型タイプです。金太郎塗りが凄くイイ。

  • 有人駅は鉾田、玉造町(土日は休み)、常陸小川、の3ヶ所。早朝・夜間は無人化。硬券は入場券と片道券。大人と小人では地紋が違う。鉾田は石岡までの往復券あり。
  • 車掌付きの編成=キハ714だと、石岡車掌区乗務員発行の車内補充券の取扱もあり。また、常陸小川では、常陸小川→石岡→JR高浜の補充片道乗車券(JR連絡券)もあった。また、5枚綴りで小人だと320円〜の「土・日回数乗車券」を扱ってるのだが、石岡の事務所では「品切れ」(?)ということで販売してくれなかった。たぶん面倒だからだろう。
  • 駅舎で面白かったのは有人の鉾田、玉造町、常陸小川ぐらい。玉造町駅に入居している「田舎の台所」食堂がなかなかの人気。オススメは名物「そばいなり」(いなり寿司風で、酢飯の代わりに甘辛く煮付けたソバが入っている)。
  • 個人的なツボをつかれたのが、榎本駅。ここの構内には、かつての貨物輸送の関係で、自衛隊が管理している土地区画・線路があるのですが、そこに「防衛省管理地域 立入禁止」という看板があるんです。防衛庁から省に昇格したのは先週。準備のイイ話ですが、あと2ヶ月でその使命も終えることになるのに……
  • 写真撮影にはあまり興味はないのだが、巴川駅周辺では、林の中を抜けて近づいてくる気動車をいいアングルで撮れた。関東地方にあるとは思えない、国鉄標津線を彷彿させるような風景だった。あとは、霞ヶ浦を交えて撮れる浜駅・桃浦駅がお約束の場所。いいアングルで撮れるポイントが分散しているので、あまり殺伐とした雰囲気ではなかった(ように見える)。ただ、農道の幅員がやたらと狭いので、路駐しているとかなりの迷惑になりそう。
  • 石岡・鉾田、玉造町、常陸小川の各駅舎・ホーム、そしてKR503の車内と前面部に電飾が施されています。クリスマスシーズンに街路樹や住居、店舗などをイルミネーションでライトアップしているのと同じ雰囲気です。ただ、告知がほとんどなされていないので、昼間はたくさんやってくるマニアの間でもほとんど知られていません。今月(07年1月)いっぱい続けていくそうです。

 ていうのが、簡単な報告。陽が落ちる16時を過ぎると、マニアがほとんど消えてしまう。すると、昼間の賑わいがウソのように、各列車とも乗客は3人とか5人とかガラガラになるんです。無人で走っている便もあったかな。これを見ると、ああ鹿島鉄道もホントに大変なんだなあと痛感させられてしまうのですが、それはまた別の話。

*1:この値段は安すぎる。2000円ぐらいでもいいのでは