京都市今出川通でLRTの社会実験が行われました。
京都市が導入を検討している次世代型路面電車(LRT)の交通社会実験が24日、今出川通の北野白梅町−出町柳間4・1キロで、初めて行われた。路面電車に見立てた実験バスが道路中央部に設けられた専用走行車線を走り、一般車両や沿道にどのような影響が出るのか調べた。
LRT導入へ 実験バス走る 京都市、今出川通で初実施 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070124-00000022-kyt-l26
1月24日京都新聞
今日、京都市の今出川通でLRTの社会実験をしていたんですね。2006-09-29 京都のLRT計画を巡る"いけず"な話でも書いていたとおり、以前から京都市は北野白梅町〜出町柳間4kmでLRTを敷設する構想を持っており、その第1段階として専用レーンを設けてバスを走らせてみたということです。
というのがそのポイント。9月のエントリーでも書いたように、地元では併行する道路の渋滞、そして沿道商店の荷捌きに関する問題への拒否感が根強い……という雰囲気は、「今出川通の交通まちづくりとLRT」というシンポジウムでも見かけられました。
で、京都新聞が撮った今日の写真を見ている限り、片道2車線から1車線に減らされた車道はなかなかの混雑のようですね。それが恒常的に続いた渋滞なのかどうかは分かりませんが。
あと、気になったのは、
京都の人は大変だ。
この構想は、地元経済界の一部が15年以上も前から主張しているにもかかわらず、地元ではあまり浸透していません。北野白梅町〜出町柳間にLRTがあればそれなりに便利なのだろうけど、正直、現行の旅客流動とは合致しておらず、はたして本当に推進すべき路線なのか、地元住民にとって必要なのかどうかは私も疑問に感じます。
ただ、実験段階から"抗議"か……。もう少し様子見してから判断すればいいのに、最初から拒否感を示してしまうのはどうかとも思いますが……
一方で、立命館大学の土居靖範教授や労働組合の関係者らによる京都LRT市民の会*1も別途に動いているんですね。ここを参照。こっちは利便性の重視を訴え、「四条線(四条大宮―祇園間)」と「河原町線(京都駅―河原町今出川間)」を加えた3路線を提案しているらしい。
なんだかよく分からない状況です。先のシンポに参加していた知人はやっぱ京都人だから、大変だよ。新しいことをやろうとしたら、難癖を付けて潰しに来る人たちがたくさんいる」とか苦笑いしていました。彼は京都で自転車による交通問題に取り組んでいるのですが、いろいろ推進には障壁があったらしい。LRTの問題もこの先どうなることやら。とりあえず、市民がいろいろと主張することによって意志決定が明確になっていく"可能性"があるわけで、反対意見が出るのは決して悪くはないのでしょうが、それはまた別の話。