編集長が交代して2号目となった「鉄道ジャーナル」

katamachi2007-02-21


鉄道ジャーナル 2007年 04月号 [雑誌]

鉄道ジャーナル 2007年 04月号 [雑誌]

 雑誌「鉄道ジャーナル」の前編集長が一線を退き、宮原正和が後任に就いて、今度の2007年4月号で2号目となります。
 前月号、そして今日発売の今月号を見ている限り、まだ独自色というのは前面に出ていないようです。巻頭カラーの印刷方法が変わったが効果がよく分からない、種村直樹のルポが今回ついに消えてしまった、鈴木文彦の「♯私の取材メモ」はアクがなさすぎてイマイチ面白くない、やっぱり海外ネタは減らしていくのか......などなどの感想がないわけではないのですが、一読者としてあえてコメントするほどの変化はまだ見えません。まあ、半年ぐらい経たないと、「誌面の刷新」がいい方向に向かっているのか否かは分からないのでしょうね。
 ただ、特集のピント外れは相変わらずです。今回は「北海道・四国・九州 東京への道」。なんで「2007年2月21日」という「現在」に発売する「鉄道趣味誌」の「テーマ」として選んだのか。記事を読んでも、さっぱり分かりません。
 1本目の蛯原宏「厳寒の稚内から1600km15時間 驚異の日着 東京への道」。タイトルを「日着」として稚内と東京の間を特急で乗り継いで移動しているのに、途中、札幌と盛岡で小休止している上に、函館で一泊している。つまり「日着」していないんです。2本目は3月で廃止される特急「東海」が登場します。タイムリーなネタですが、北海道・四国・九州、いずれとも無関係。3本目は宇和島駅から岡山駅、4本目は鹿児島中央駅から大阪駅へのルポ。どちらも岡山・大阪駅から東京駅までの記述はカットされています。東京まで行かずして取材を終えているんですね。
 まあ、そんな風にタイトルに偽りあり、って記事ばかり。ルポ担当の疲労軽減とか、取材や撮影の都合とか、夜の写真を撮っても仕方がないとか、いろいろ事情があるのは理解できます。でも、なぜに「東京への道」って特集を選んだのだろうか。編集後記で宮原編集長が本特集を選択した解説らしいことを書いていますが、やっぱり意味不明です。
 ここ数年、「鉄道ジャーナル」の特集って、こんなのばっかりですよね。ブルトレやローカル線などベタなテーマで人気取りを狙うのでもなく、アカデミックなアプローチで問題を訴えるのでもなく、タイムリーなネタを掘り下げるのでもなく、資料的価値のある情報を掲載するのでもなく……なにをやるにも中途半端ばかり。狙いがピンぼけした雑誌を980円も出して買ってくれるお人好しがどれだけいるのでしょうか*1。購読者が減った原因は、ネットの普及とか鉄道マニアの淡泊化とか外因だけではない....ということにまだ気付いていないのでしょうか。
 とりあえず、種村直樹の「レイルウェイ・ライター懐かしの名列車」という記事のp.132で、孫の名前が「のぞみ」というのはネタではなくて本当の話だったんだ、ということが分かったので個人的には満足したのですが、それはまた別の話。


【おまけ】「ジャーナル」好きなら以下もどうぞ。
http://d.hatena.ne.jp/katamachi/searchdiary?word=%C5%B4%C6%BB%A5%B8%A5%E3%A1%BC%A5%CA%A5%EB&type=detail

*1:そんなわけで、ピンぼけした「出雲」@餘部鉄橋、というベタベタかつ中途半端な画像を上に貼付しました