駅名改称っていくらかかるんだろう

 大津市のJR湖西線西大津駅、雄琴駅の駅名改称に伴う同市の負担金が、約1億3000万円となる見通しであることが21日、わかった。市は9月補正予算に計上する方針。駅名改称は来春に予定し、西大津駅が「大津京駅」、雄琴駅が「おごと温泉駅」になる。いずれも街の活性化につなげようと地元住民や観光協会が市などに要望していた。負担金は料金表や路線図の表記、券売機のデータなどの変更にかかる費用で、JR西日本に支払う。市の関係者によると、JR側は当初、市に約2億円を提示したが、市側は今年度予算案に約1億円を計上し、両者の間で交渉が続いていた。
産経新聞2007/08/22 2駅名改称で1億3000万円負担へ

 2駅の改称に1.3億円か……高いなあ。それでもJRの提示額を6割に抑えたんだから、大津市の勝利か。でも、やっぱり高い。そもそも2006年秋の敦賀直流電化の際、高月駅(近江高月駅?)と三つ合わせて改称してしまえば安くつくという話だったのですが、高月町が費用負担に渋りだしたんで間に合わなくなってその時点での改称は先送りされていました。
 さて、駅名改称にはどんな経費がかかるんだろうと考えてみると、

  • 運賃表・駅名標の書き替え
  • 自動券売機やマルスなどのシステム変更

ってところでしょうか。列車の発着のある拠点駅の場合、方向幕や他駅の表示板など変更すべき箇所が増えてきます。
 こうした駅名改称を地域振興に繋げようという動きは中軽井沢駅あたりがその初期の事例ですかね。70年代になると各地で改称への運動が顕著になりました。あつみ温泉駅なんかは地元が経費負担で改称したわけですが、その是非を巡って全国紙でも話題になったようです。一方で、国鉄→JRが観光客誘致も狙って自主的に「○×高原駅」とか「△□温泉駅」とかに変えることもありました。その場合、地元負担がゼロ、あるいはほとんどなしというケースもあったと思います。
 では、すでに改称を終えた他駅の場合、いったいいくらぐらい費用がかかったのだろうと調べてみると、こんな感じになりました。

 それぞれがどこまで経費が入っているのか分かりませんが、拠点駅で発着列車の多い鹿児島中央駅とか新山口駅いわき駅が高めになるんですね。列車の行先表示板や方向幕など変更箇所が多いというのもあるのでしょうか。大都市部、そしてJR西日本は割高になっています。でも、長岡京駅(神足駅)が2000万円で済んでいるのに、なぜ西大津駅、雄琴駅の場合、1駅あたりで計算してもその3倍以上かかるんだろう。発着する電車の本数はより少ないのに……。結局、鉄道会社の気分次第で値段なんて設定されいるのでしょうか。
 なのに、それを了承していいのか、大津市東海道新幹線南びわ湖駅(仮)の負担分3億円を出さないよと言い切り、同駅建設凍結の流れを造ったのは紛れもなく大津市役所と大津市長でしたよね。でも、1.3億円払って駅名改称をする。なにか勝算があっての判断だと思いますが、小一時間その理由を考えてみても、何が市と市民の利益と直結するのかよく分かりませんでした。西大津駅を「大津京駅」とする前に、京阪電気鉄道石山坂本線皇子山駅と名前を揃えるのが先決だろうに……と思ったりもするのですが、それはまた別の話。