鉄クズ用の廃レールの価格が高騰しているらしい。

katamachi2007-11-07

 お久しぶりです。
 先週は沖縄県八重山諸島に滞在していました。石垣島竹富島鳩間島小浜島波照間島の5つの島。最高気温30度越えののビーチで熱帯魚を眺めながら素潜りをしていたのですが、その反動で関西に戻ってから風邪を引いてしまってしばらく寝込んでました。う〜ん、寄る年波には勝てません。
 まだ回復していないので、今日は小ネタを一つ。

 廃線から間もなく4年になるJR可部線の可部―三段峡間のうち、レールが残っていた広島市内分の撤去が6日、佐伯区の旧水内駅で本格的に始まった。来年3月までに完了する予定で、市は販売収入約1億円を廃線敷を利用したサイクリングロードの整備事業費に充てる。撤去対象は佐伯、安佐北区の総延長16.9キロ。安芸太田町内分の廃線は05年8月、入札で総延長約28キロを売却、昨年3月に撤去を終えている。
「廃線4年 レール全撤去へ」 中国新聞、07/11/7

 2003年に廃止された可部線のレールってまだ残っていたのか……
 一部の市民団体廃線敷での鉄道再生運動を展開して、2005年時点で722.4万円を集められたそうですが、地元自治体や議会の了解を得られずに構想は中止になっています。その時点でレールは全部剥がされたと思っていたのですが、まだ広島市内分は残っていたのですね。
 でも、16.9kmのレールの販売収入が1億円。線路延長100mあたりで59万円。一本あたり8万円弱か。意外に高く売れるんですね
 これで思い出すのが、3年前に起きた上山田線廃線跡で起きた某事件。
 2004年11月、上山田線熊ヶ畑隧道の廃線跡1.7kmに残っていたレールが盗まれてしまいました。屑鉄価格の高騰に目を付けた解体業者が犯人で3ヶ月後に逮捕されるのですが、その時は「時価約400万円相当」と報道されています。
 上山田線可部線。2つの廃線跡のレールの価値を比べてみると……

路線名 報道年 キロ数 値段 100mあたり レール1本あたり*1
上山田線 2004年 1.7km 400万円 23.5万円 3万円弱
可部線 2007年 16.9km 1億円 59万円 8万円弱

 となります。わずか3年間で屑鉄となる廃レールの値段は倍以上に上がっているのか*2……

  • 中国経済の活性化によって日本国内でも廃金属の値段が高騰している
  • 銅線や鉄柵などの盗難が相次いでいる

とは聞いていましたが、ちょっと驚きです。

 上山田線での盗難騒ぎを聞いた後、「あそこはまだ●kmぐらいはレールが残っているんじゃないの」、「●▲線なんて廃止されたときの線路がまだ□駅跡で山積みされているよ」、「意外に、窃盗グループって、廃線系のホームページや書籍を見ながら物色しているんじゃないの」……なんてヨタ話を廃線マニアの知人としたことがあります。まあ、実際、レールをトラックに詰め込むのって重くて大変だろうし、あまりにも目立つから足が付きやすいだろうし、現実的に実行するのは難しいのかもしれません。
 でも、ここまで値段が上がっているとなると、本気でそうした心配をせねばならなくなるのかも。いや、それより財政難に苦しむ自治体なんかが積極的に廃レールの売却に取り組むんじゃないか。そうなると廃線好きとしては寂しくなるなあ……なんてことも思ったりしたのですが、それはまた別の話。

*1:標準的なレールの長さ25mで換算したときの1本あたりの値段

*2:上山田線の盗難騒動の時はレールに関する純粋な時価が報道されたのに対し、可部線では「販売収入」とあるだけ。家庭菜園用に人気の枕木などの売価も入っているかもしれない。単純比較するにはやや問題があるけど、まあそこらはツッこまないで