名鉄モノレール線&広見線廃止とSF(ストアードフェア)システム 

katamachi2007-12-17

 次年度予算編成に向けて鉄道関係の様々な動きが出ています。気になるのが名鉄の動き。

運営赤字が続く名鉄広見線の「新可児御嵩区間を巡り、名鉄が廃止の可能性を示し、沿線の可児市御嵩町に財政支援策などを取るのかどうか、来年末までに回答を求めたことが11日、明らかになった。
広見線の新可児―御嵩 名鉄維持できぬ朝日新聞、2007年12月12日

名古屋鉄道は17日、高架式コンクリートレールの上をゴムタイヤで走行する跨座(こざ)式モノレールとして日本で初めて1962年に開業した愛知県犬山市の「モンキーパーク・モノレール線」を来年12月28日に廃止することを決めた。
名鉄モンキーパーク・モノレール線、来年12月に廃止読売新聞、2007年12月17日

  • 広見線 2006年度の輸送人数は2257人/キロ。10年前の52%。年間約2億4千万円の赤字。支援策の方向性を2008年末までに決めるように可児市御嵩町に要請。
  • モノレール 70年代の利用者3000人/日→1982年度に赤字→2006年度の利用者数は約650人。高架撤去などの特別損失28億円。

 ここ10年、名鉄はローカル線の廃止を次々と推し進めてきたわけで、2005年の岐阜市内線&600V区間の整理で一段落したと思っていたのですが、まだまだ続けるのか。合理化&中部国際空港開港で業績は改善したのかと思っていましたが、株価は現段階でもさほど回復していなかったのですね。ローカル線の廃止をさらに進めることで株主へ経営改善に取り組んでいる姿勢をアピールしたいのでしょうか。

 もう一つ、ポイントとなるのは「SF(ストアードフェア)システム トランパス」。名鉄は人員合理化の切り札として積極的に導入を推し進めています。名鉄のホームページでを見ると未導入路線は、

にまで減っていました。
 このシステムを導入するには一駅あたり数千万円の費用、さらに年間数百万円の経費がかかると聞きます。名鉄の場合、東京や大阪の大手私鉄とは異なり、利用者があまりいない無人駅を大量に抱えていましたが、その一つ一つに自動改札機と監視システムを設置していきました。
 その一方、乗降客数が極端に少ない弥富口駅や布土駅などは投入するだけの価値がないと判断されたようで昨年に廃止されてしまった。モノレールはともあれ、今でも輸送密度が2000人を越える広見線ぐらいは維持すればいいのに……と個人的には思います。でも、SFシステムを入れる費用対効果を検討した際、自社で維持する意味合いを見つけられなかったのでしょう。広見線の支援策として「赤字補填」・「上下分離方式」・「第三セクター」の3つが提案されているようです。名鉄線として維持する場合は、地元負担でSFシステムを入れることになるのだろうか。
 さて、今後、2008年春に尾西線(弥富駅をのぞく)へ、次年度に柳津駅西尾線各駅へSFシステムが投入される予定になっています。そして、モノレールが廃止され、広見線の経営移管がされると、名鉄で非SFシステム対応の路線は蒲郡線だけ。ネットで検索してみてもここの路線に導入するという計画が発表された形跡がない。となると、次は……とも想像はできるのですが、それはまた別の話。