神奈川県庁で「超高速鉄道構想」というのが浮上しているらしい。

katamachi2008-04-15

 神奈川県政策部は、神奈川県内と羽田空港、成田空港を結ぶ超高速鉄道の構想策定に向けた検討を開始するため4月14日、「平成20年度超高速鉄道構想検討調査業務委託」の一般競争入札を公告した。県内に本店や支店を置く調査業務委託AかBの有資格者を対象に、4月17日午後1時まで参加確認申請を受け付ける。25日に開札して落札者を決定し、9月末までにまとめる。
【神奈川】超高速鉄道構想検討調査を公告 県政策部」建設業界ニュース神奈川版 建通新聞2008/4/15

 検索していて、さっき拾ったネタ。羽田と成田を結ぶ「超高速鉄道構想」が打ち出された、ということらしい。神奈川県政策部の一般競争入札だからネタ元は確か。
 しかし、「超高速鉄道構想」か……。その響きは60年代センスでなんだかイイ感じ。ほれ、チューブトレインだとかなんだとか、昔のこども向け図鑑に載っていた「未来の鉄道」っぽい。いいなあ、こんなの本気で考えている部署があるんだ。
 さて、これって京急と京成を結ぶ鉄道新線構想のことなのかな……と調べてみると、「羽田・成田リニア新線構想」というのがあるのですね。
 こちらのブログに転載された産経新聞の記事があります。

 羽田−成田間がわずか30分!? 高速リニアモーターカーで、羽田−成田両空港を結ぶ壮大な構想を神奈川県の松沢成文知事が提唱している。

 誰かがそれらしいことを言っているのは聞いていましたが、この記事は未チェックでした。

  • 羽田と成田の一体性を高め、国際線と国内線の機能を持つ国際水準の首都空港を目指す
  • 月刊誌「Voice10月号」(PHP研究所)に発表した「羽田・成田リニア新線構想」。社団法人「日本プロジェクト産業協議会」の調査(平成2年)を下敷き
  • 大深度の地下に最高時速300キロのリニアモーターカーを走らせる。リニアで羽田と成田が約27分で結ばれる
  • ルートは、横浜〜東京都内〜千葉〜成田空港間。新宿やさいたま新都心までの支線も整備
  • 建設費用は当時の試算で1兆数千億円、「国や自治体のほか民間資本もあわせて解決は可能」
  • 神奈川県では、今年度から22年度までの総合計画「神奈川力構想」に、このリニア構想を盛り込んだ。22年度には首都圏の8都県市での共同取り組みを推進する方針

ということらしい。かながわ京浜臨海部ニュース平成19年12月号を見ると、県庁として昨年末にアンケート調査もやっていたとのこと。

 ああ、昨春の知事選で、県知事がマニュフェストとして言っていたのですね。

「18 高速交通ネットワークの整備」超高速鉄道「羽田・成田リニア新線」で首都圏の一体化を提案
羽田空港と成田空港の一体性を高め、国際ゲートウェイの機能と国内線ネットワークの中核機能を併せ持つ国際水準の首都空港の実現を図るため、環境面からモーダルシフトも視野に入れ、横浜、川崎、羽田空港、成田空港などの首都圏の主要都市等を大深度地下リニアモーターカーなどで結ぶ超高速鉄道整備構想を提案し、八都県市等で連携した検討を目指します。
松沢しげふみ公式サイト マニフェスト2007 神奈川力 全開宣言〜神奈川の力で日本を動かす〜p.18

 なるほど、それで神奈川県政策部が、「平成20年度超高速鉄道構想検討調査業務委託」として一般競争入札の公告を行ったワケか。ようやく事態を把握できた。政治家が選挙の時だけ言っているタダのホラなのかと思っていたけど、本気で調査費を投じてまでマニフェストを実現しようとしているんだ。ああ、えらいなあ。ぜひ、「神奈川の力で日本を動か」してね。でも、羽田と成田を結ぶリニアを横浜まで延長する意味って何なんだろうか。
 この施策に関しては、ネットで検索してもあまりご意見は見つけることはできず、ただ、神奈川県職労連が、

「羽田、成田への新たなアクセス検討」という表現で「第2期松沢マニフェスト」の目玉政策である「羽田・成田リニア新線」計画が盛り込まれている。東京湾横断道路がいまだに黒字化の見通しが立っていないように、県財政に多大な負担をかけるこうした開発計画は、「中止」を含めての見直しが必要である。

と言っているぐらい。これ、ホントに「目玉」なのか?
 えーと、どう言えばいいんだろう。「とにかく、頑張ってね(ハート)」としか言葉は浮かんでこなかったのですが、それはまた別の話。