2009年度で消える留萌支庁と石狩支庁と檜山支庁と日高支庁と根室支庁

katamachi2008-06-27

 石狩、根室、日高――。北海道庁出先機関で、地域名としても使われてきた「支庁」が、100年の歴史に幕を閉じる。道議会で27日、14ある支庁を来年度、9地域に再編する条例案の成立が確実になったためだ。
石狩・根室・日高… 北海道の支庁、100年の歴史に幕朝日新聞、2008年6月27日

 北海道庁出先機関である"支庁"が統合か……。残るところも含めて"支庁"という呼び方自体、なくなることが決まったのか。
 昨年、檜山支庁のある江差町に行ったときも、反対を訴えかける看板があちこちに建っていました。支庁がなくなるとちょっと役所に用事があったとしても不便なことが多い。北海道の地理的事情を考えると、確かに反対派の気持ちもよく分かる。「檜山支庁がなくなる江差町では、人口の1%以上にあたる道職員120人が町を去る見通し」なら、単に支庁があるないというプライドの話だけじゃないということか。「網走支庁がなくなったら、小学生が何人減ることになるのか。ただでさえ合理化されているのに、消えたら困るよ。」と某とほ宿のオヤジさんが力説していたのを思いだす。転勤でやってくる道職員の経済効果が相当なものであると地元ではみんな知っているのだろう。
 以前から具体的に名前が出ていたのは、留萌支庁石狩支庁檜山支庁日高支庁根室支庁の5つ。北海道新聞だったかにその名前が候補に出ていたとき、どことどことがどうやってくっつくのか分からなかったし、地元の北海道新聞も含めて区割り案を見たことがない。でも、上の朝日の記事にはその具体案も載っています。
 留萌支庁上川支庁と一緒か……。旭川とひとまとめにした方がいいという判断なのかな。あるいは天塩町天塩川水系とを一体に考えたのか。空知支庁幌加内町が留萌と上川とを分けているし、ならば留萌と空知と一緒なのが自然な気もする。あるいは石狩と空知をまとめるのではなく、後志と石狩を一緒にするとかの方が実情にあっているような。
 と、北海道と無縁な人間がいろいろ言っても仕方ないわけで、様々な道内の政治状況やなんやらが複雑に入り乱れた結果、このような区割りになったのだろう。今は一息ついた感じになっている「平成の大合併」のときも、青森県五所川原市外ヶ浜町中泊町のように三市町の飛び地が入り組んでいるところもあるし、まだマシなのかも。
 でも、もう学校で使う社会科の地図、いや国土地理院の地図も含めて、「支庁界」という地図記号が消滅すると言うことですよね。小学生三年生のとき、「北海道の●●支庁って、都道府県と何が違うの??」と学校の先生に質問してもまともに答えてもらえなかった(まあ、大阪府民には関係ないし)記憶がある。でも、そんな地図帳大好きな地理オタクな子供たちの心をくすぐるトリビアな知識も、あと2年もせずに過去帳入りするのか。なんだか、ちょっと寂しい気もする。
 こうやって、全国で北海道にしかなかった「支庁」が消えることで、次に気になるのが姫路にある「区」。政令指定都市でもないのに、「飾磨区」とか「広畑区」とかあって、姫路市のホームページの「姫路の雑学」というページを見ると、「昭和の大合併」以前の旧市町の区割りをそのまま活かした"市役所の出先機関の大きい版"みたいなんだけど、今一つ、「区」と名乗る意味がよく分からない。あれはどうなるんだろう……とかねてから疑問に思っていたのですが、それはまた別の話。

追記

室蘭日報だと、

 胆振支庁は「日胆総合振興局」(所在地・室蘭市)、日高支庁は規模を縮小した「振興局(仮称)」(同・浦河町)として日胆総合振興局の出先機関となる
 総合振興局となる新たな所管区域と名称は、

の計9総合振興局

とある。幌加内町は"道北"(上川&留萌)とするのが原案なのか。道庁の「新しい支庁の姿(原案)」のp.16以下を見ると、幌加内町幌延町については所属の再検討を示唆する文言がある。朝日の載せている地図と区割りが変わるのかな……
 興味深いのは、

  • 後志地域は、管内面積・人口ともに規模が小さいですが、現状においては管内の市町村数が多く、また、原子力防災対策や北海道新幹線の推進など特殊な地域課題を抱えている
  • 札幌一極集中を緩和する観点から支庁所在地を岩見沢市とすることなどを勘案

という2点。

さらに追記

 2008年6月9日に出された「新しい支庁の姿(修正案)」だと、

 空知支庁管内幌加内町及び留萌支庁管内幌延町については、両町からの要請を踏まえ、それぞれ道北総合振興局及び宗谷総合振興局の所管とします。

決定事項になっているんだ。