祭りが終わった後でも廃線処理は続く。

katamachi2008-07-26

 2005年春、惜しまれながら廃線となった旧名鉄美濃町線の線路の撤去作業が、関市中心部で進められている。(中略)名鉄廃線後、美濃町線の線路の撤去作業を始めたが車が通る踏切や鉄橋などもあり、廃線から3年が過ぎても完了していない。
 関市中心部の線路の撤去は、岐阜市側から順次進められている。24日は、東福野町周辺で作業があり、レールや枕木が取り払われた。
さよなら名鉄美濃町線 2005年春廃線、撤去作業進む中日新聞、2008年7月25日

 なんや、3年前の記事か……と最初思っていたら、つい昨日の記事なんですね。名鉄美濃町線、まだ線路の撤去が終わっていなかったのか。
 併用軌道区間は早くの作業が求められるのだろうけど、写真を見ていると関市の専用軌道区間なんだね。道路の拡幅工事に使うとか、後処理とか地元自治体との協議がまだ完了していないのかな。
 鉄道を廃止しても、その後処理というのは意外に時間とカネがかかる。
 「鉄クズ用の廃レールの価格が高騰しているらしい。 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」や「いま日本産の廃枕木がDIY業界で不足しているらしい。 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」、「北海道ちほく高原鉄道株式会社の清算と陸別町の「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」で書いたように鉄くずの値段が高騰したとか、枕木が家庭菜園などで大人気とか、そういう現象があるにはある。言ってもそれは程度問題であって、レールや設備の撤去にはキロあたり数百万円とか一千万円以上とか、意外にカネがかかる。福岡県にある油須原線という未成線の某鉄橋なんか、撤去費が5億円もかかるということで誰も手を付けず、そのまま放置されている。
 第三セクターならともあれ、民間会社だと、そういった後ろ向きな作業に積極的に取り組むのも大変。だから、全国の廃線跡を回ると、敗戦、いや廃線当時の設備がそのまま残っていたりする。鉄道マニア的には有り難い話なんだけど、それはまたいろいろあるわけ。30年前や40年前の木造駅舎がそのまま管理もされず放置されているというのは、危なっかしいことこの上ない。


 ついでに、直近の廃線関係の話題を2つ。

 島原鉄道(本社・島原市)が3月末で廃止した島原外港以南の線路(35・3キロ)で、レールや枕木の撤去作業が始まった。今後、踏切や遮断機の撤去も行われ、年内には作業を終える予定だが、跡地利用は決まっていない。
 撤去作業は現在、南島原市深江町〜同市布津町間の2か所で行われており、同町の旧布津駅近くでは、レールをつなぐボルトや枕木にレールを固定する犬くぎが外された後、重機などでレールや枕木が解体されている。
 駅舎の存廃は未定で、同社鉄道課は「駅舎の活用方法も含め、路線跡地利用について、今後、自治体と協議していきたい」と話している。
島原鉄道「南線」撤去作業が始まる、跡地利用は未定読売新聞2008年7月25日

 ここも地元との協議はまだなのか。並行する国道で渋滞が慢性的になっている区間とかもあるし、なかなか大変そう。いや、本当に大変なのは、1991年の雲仙普賢岳の噴火で不通になった区間を新線に付け替えたところ。深江駅など火山灰を防ぐためのダム状になっているところはそのまま残すんだろうけど、安徳駅あたりのように高架線に付け替えた部分とかはどうなるんだろう。スラブ式高架って撤去費がかなりかかるんで、各鉄道事業者自治体とも頭を悩ましているんですよね。

 三木鉄道清算会社は二十五日、所有する車両三台のうち一九九九年、二〇〇二年製の二台を入札で売却すると発表した。入札期間は八月六-二十九日。市は、この二台を買い取らない方針を示しており、落札した会社などに引き渡す。(中略)「104」の最低公示価格は二千二百万円、「105」は三千三百万円。買い取りの申し出が十件きており、清算会社は八月五日午後一時から、旧三木駅で買い取り希望者を対象に、車両内覧会を実施する。
三木鉄道の車両2台、入札で売却神戸新聞、2008/7/26


 てっきり、今流行のミャンマー行き*1になるのかなと思っていたけど、9年物の軽快気動車が2200万円……って、なんだか高くないか。帳簿上の値段がそのままなのかな。トラック輸送したとしても割が合うんだろうか。しかも製造年が異なる2両だけというのも中途半端。
 買うとしたら……茨城交通あたりか。でも、昨年廃線になった鹿島鉄道気動車をスルーしたんだったら、脈なしか。80年代製の富士重工LE-carを持っている長良川鉄道? 樽見鉄道? そこらの行き先を考えるというのはちょっと悪趣味とは思いつつやはり気になるのですが、それはまた別の話。

*1:廃線になった鉄道の軽快気動車が援助なのかなんなのかよく分からない理由で、ミャンマーへ運ばれているんです。ヤンゴン近郊なんて日本の中古気動車だらけ