米坂線はキハ58など国鉄型気動車の最後の天国(線内の運用ダイヤ付)

katamachi2008-09-10

 9月7日は米坂線を中心に回ってきました。
 キハ58・28・52といった国鉄気動車って、四国での運用が今秋で終われば、残るは大糸線高山本線北部、そして米坂線を中心とした新潟近辺だけになってしまいそう。その新潟でも、「ブナ色の気動車「キハE120形」 飯豊連峰望み進行!」の記事にあるように、キハE120形がこの秋から順次投入されるとの報道がなされている。
 6日に東海道東北新幹線で福島に入り、福島交通奥羽本線で計7駅に立ち寄った後に米沢泊。7日は米坂線の各駅&国鉄気動車を徹底的に乗り降りし続け、新潟から"特急"表示の出ている「きたぐに」で関西へ……という道程だった。
急行「きたぐに」が特急に昇格。 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月
 下にあるように、現在、米坂線には新潟運輸区の気動車8運用が入線しており、それぞれキハ52+キハ47を中心に、キハ58やキハ28の国鉄気動車が使用されている(写真は1130Dの越後金丸)。

 塗色は白に青や赤のラインの入った新潟色が基本だが、国鉄気動車標準色(クリーム4号と朱色4号)、新・新潟色(白に赤)、首都圏色(朱色5号)の気動車も使用されている。僕が乗った9月7日(日)の各列車は、8運用のうちで旧国鉄色オンリーで走っていたのは2編成。なかなか純血のままの彼らに出会うのは難しそうだ。
 夏場だと気になるのは冷房車。四年前、8月の猛暑の日に米坂線をブラブラしたのだが、意外にも3連の車内は混んでいて空いているのは非冷房のキハ52だけ.....という状況で辛い体験をした記憶がある。
 この日はあまり暑くなかったので助かったけど、今でもキハ52は非冷房のまま。キハ47は冷房改造されたけど心なしか効きが悪すぎであまり涼しくない。

9月7日の米坂線気動車あれこれ

 この日の本来の目的は米坂線の未訪問だった13駅で乗り降りすること。でも、その記録を細々と書いても意味がないんで、とりあえず、7日に乗車した各列車を画像を中心に紹介していこう。多くの人の狙いは、

  • キハ58系3両 キハ28-2371+キハ58-1022の急行色コンビ、キハ58-677の新潟色
  • キハ52系7両 キハ52-122・127の国鉄色
  • キハ47系 キハ47-514・515が首都圏色

の7両なんだと思う。幸いにも、この日一日で全てをフォローすることができた。
 米坂線のどの運用にどの車両が入るとは公表されていないので、どれがやってくるのは見てのお楽しみというところはある。ただ、下記で記したように2両編成の運用は6日間で一サイクルとなっているので、前日の列車の動きを見ていれば、翌日、どのスジに何が入るのか予測することは可能。
 現在、米沢駅では駅本屋側にある1番線南側の4・5番線が米坂線の発着ホームになっている。夜はここで3編成が留置されている。

  • 国…気動車標準色(2色)、朱…首都圏色(朱色)、新…新・新潟色(白と赤)、無は新潟色(白・青・赤) 。車番は左が坂町方面、右側が米沢方面。
  • 1123D(米沢→西米沢) キハ28-2371国 キハ58-1022国


 米沢6:03発の朝イチの下りはキハ28&キハ58国鉄標準色という、国鉄黄金時代の組み合わせだった。1日かけて米坂線を満喫する旅の1本目から純血の急行色を見れるなんて、ラッキーなことである*1
 さすがにこの時間でマニアはおらんだろうと思っていたら、2両にざっと15人ほどはいた。国鉄型消えるかもということで人が集まってきたのか。4番線の車止め寄りには次発の「キハ58-677+キハ47-1517」(新潟色)が停まっているが誰もそちらを撮ろうとはしない。でも、本来の客は4、5人ほどだから、18きっぷシーズン外になったらまた平穏な日々が帰ってくるのだろう。残念ながら2駅先の西米沢で下車。

  • 1142D(西米沢→南米沢) キハ47-1516 キハ52-120


 西米沢から南米沢へ一駅戻る。派手派手な新潟色の組み合わせ。昨晩、米沢駅で留置され、早朝に今泉まで回送。これが上りの一番列車になる。日曜日だが部活に行くっぽい高校生もパラパラと乗っている。

  • 1125D(南米沢→中郡) キハ58-677 キハ47-1517


 これも米沢駅に留置されていた編成の一つ。キハ58の新潟色はキハ58-677のみ。これで新潟の全キハ58系を制覇したことになる。ちなみに、この運用、通学客輸送で羽前椿まで行って米沢へ戻り、明日まで側線で小休止。

 

  • 1122D(中郡→成島) キハ47-518新 キハ52-122国 キハ47-1520


 小国留置の上り列車。米沢7:36着というスジだし通学客のことも考慮して3両編成になっている。米沢寄りが新潟色、2両目が国鉄色、3両目が新・新潟色。どうせならキハ52を先頭に出してくれればいいのに……と思う人は多いと思う。ただ、日曜なんで学生は30人ほど。マニアも少なかった。


 1142Dと同じ編成が羽前椿まで往復。米坂線は本数がかなり少ないというイメージがあったが、早朝から8時頃までは高校生客対策なのか意外に本数が多い。1127Dは小学生の団体さんが30人ぐらい乗車してかなり賑やか。羽前椿から観光バスに乗ってどこはハイキングへ向かっていった。

  • 1128D(萩生→犬川) キハ52-123 キハ47-514朱


 通称"タラコ色"の首都圏色がやってきました。盛岡や秋田、山陰には同色のキハ40系はたくさんあるけど、変な地方色にされたタイプが多いので今では貴重な存在になっているのは確か。首都圏色のキハ40系が各地に投入された70年代後半、鉄道マニアからは旧客と10系気動車を淘汰する諸悪の張本人として見向きもされていなかったのに、それが……まあ趣味人というのはそういうものですよ。今じゃあDD51103系もみんなアイしているじゃないです。

  • 1129D(犬川→羽前沼沢) キハ47-518新 キハ52-122国 キハ47-1520


 昔の急行「べにばな」のスジだからか利用者は多い。でも、マニア色比率は高いなあ。
 面白かったのは、簡易クーラー付のキハ47&非冷房のキハ52が連結されている場合、鉄道マニアはみんなキハ52の方に乗っていること。オトコだなあ。もちろん私も扉横のロングシート部に空席を見つけて陣取る。でも、エンジンは換装済だし、車内アコモもかなりいじくられているので、大糸線キハ52と比べるとやや魅力に欠けるような。
 沼沢で下車。次まで2時間ほど時間があるし朝食も食べていないし……と思うと、駅近くの国道沿いにラーメン屋を発見。米沢ラーメンじゃなくて、北海道系の味噌ラーメンだったが意外にうまかった。


 今日4度目のこの編成。ちょうど米沢盆地から新潟平野へ抜けるサミット部分になるので、良さげな撮影地にはマニアさんのカメラがちらほら。でも、本当に怖いのは、車内に乗っているライト系の人たち。他人さんが撮っている前に平気で割り込んだり、ホームから勝手に線路へ降りて車両の真ん前で撮影したり(しかも携帯で)……なんか昔よりそこらの暗黙の了解というのが周知徹底されていないような気がする。
 新潟県側に入り、三つ目の越後下関で下車し、徒歩10分ほどにある関川温泉へ。道の駅併設の公共温泉。お湯はホンモノだけど循環・消毒済みでした。あと1㎞ほど東の地元向け公共浴場に入りたかったなあと思うことしきり。
 ここからタクシーを使って隣の越中大島駅へ。この日は地元の消防団の寄り合いがあるとのことであちこちが大騒ぎでした。


 ちょうどきれいな晴れ間が見えてきて、柔らかな風に稲が揺られて、田んぼの水面にさざ波を打つ。青く実って穂を見せ始めているササニシキに見とれていると、列車がやってきた。今日5度目のキハ52-120運用。今日、沿線で三脚を構えていたマニアたちを各駅で拾い上げる。


 国鉄標準色+タラコ色のこれまた懐かしい組み合わせ。80年代にはよく見たなあ。一駅だけの乗車というのはもったいなかった。


 坂町から米沢行きの最終。もう陽は落ちてしまった。平日だと学生さんでそれなりに賑わうのだけど、マニアさんがパラパラとボックス席に陣取っている。
 これはA561運用。だけど、昼に乗った1129DのA562運用と同じ編成がやってきた。新津運輸区で車両の変更をせずに再び米坂線に戻ってきたというわけだ。

  • 3821D(手ノ子→新潟) キハ52-121 キハ47-1521


 快速「べにばな」。と言っても、線内は各駅。車内は18きっぷ客がちらほらいて、扉脇のロングシートしか空いてなかった。もう暗闇なので読書に没頭。
 坂町からは羽越本線に入り快速運転になるのだけど、スピードを感じず、逆にガタガタと振動が激しくなる。
 極めつけは、「この列車、1両目は冷房が付いておりません。冷房がご入り用の方は2両目に……」との車内放送。考えてみると、北海道を除けば、JRで、いまどき冷房の付いていない車両が定期的に走っているのって、この新津のキハ52絡みの運用だけなのか。
 新潟は定刻21:20着。
 この編成は、この後、新津へ行き、さらに羽越本線新発田まで行くのだけど、そこまで追跡していくのは疲れた。新潟駅裏の飲み屋街で軽く今日の成果を祝いつつ、急行「きたぐに」の入線を待っていたのだけど、それはまた別の話。<参考>キハ58・キハ52訪問シリーズ。

新津運輸区気動車による米坂線運用(2008年3月改正)

 おまけで運用表を入れておきます。米坂線気動車2連って、新津運輸区をA1でスタートした後、新発田・小国で留置され、米沢3泊して計6日間かけて新津へ戻ってくる。ロングランをしているんですね。凄いや。

  • A1(2両)

新津-2521D-新潟-3822D-米沢-1143D-今泉-1144D-米沢-1145D-今泉-1146D-米沢-3821D-新潟-2552D-新津-137D-新発田

  • A2(2両)

新発田-120D-新津-2121D-水原-2122D-新津-125D-新発田-回送-坂町-1130D-米沢-1133D-坂町-1138D-小国

  • A3(2両)

小国-1121D-坂町-1128D-米沢-1135D-羽前椿-1132D-米沢

  • A4(2両)

米沢-1125D-羽前椿-1124D-米沢

  • A5(2両)

米沢-回送-今泉-1142D-米沢-1127D-羽前椿-1126D-米沢-1129D-坂町-1134D-米沢

  • A6(2両)

米沢-1123D-坂町-回送-新発田-126D-新津-回送-新潟2238D-馬下-2241D-新潟-2244D-馬下-2247D新津

  • A561(3両)

新津-833D-坂町-1136D-米沢-1137D-小国

  • A562(3両)

小国-1122D-米沢-1129D-坂町-回送-新津

*1:と、共に、このA6運用、米坂線での使用はこの下り1本だけで、午後は磐越西線区間列車の方に回る