京都梅小路にできる新しい鉄道博物館の保存車両を決めてみる。
JR西日本は23日、京都市内に新たな鉄道博物館を開業する方針を明らかにした。開業は2014年度から15年度ごろの見通し。同市下京区にある梅小路蒸気機関車館に隣接
JR西が京都に新鉄道博物館 2014年度にも共同通信、2009/02/23
一昨日の各紙は、JRが京都に新しい鉄道博物館を造るという方針を固めたと報じている。用地については京都市との調整待ちらしいが、記事にしたんだから、議会の反対がない限り、まあなんとかなるんでしょう。
JRの広報がリリースした内容をそのまま伝えるだけで詳細まで踏み込んでいる社はないけど、気になるのは、
交通科学博物館(大阪市)から引退した0系新幹線の車両など展示物を移設するほか、関西私鉄各社にも車両の提供などを呼びかける。
京都に新たな鉄道博物館――JR西、梅小路と一体で14年ごろメド日本経済新聞、2009/02/23
という点。こういう企業博物館って、基本、自社絡みのものしか展示しないよね。大宮の鉄道博物館も、箱根から西側の鉄道については冷淡。0系も昨年末に運ばれたけど、当初は展示していなかったし……。だから、JR西日本らしくない度量の深さにちょっと感激している。
交通科学博物館って、ここ十数年の間、何度かリニューアルをしてきたんだけど、入館者は下降気味。以前から何度か噂されてきた京都への施設移転が実現したとしたら、どんなものをみせてくれるんだろうか。
とにかく、関西の鉄道マニアとして、いろいろ楽しみである。
さて、期待が膨らんできたそのついでに、京都の新鉄道博物館の展示車両を勝手に考えてみた。
旧国鉄 機関車・客車編
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- 1801・233 鉄道記念物にも指定されている古典ロコ2機は梅小路の機関庫の方へ。
- ED14 近江鉄道の彦根の車庫(近江鉄道ミュージアム)で4両が青空展示中。ED4001を親分のライバルである東武(東武博物館)に譲り渡したぐらいだから、ここは1つ、返してもらってもいいんじゃないか。
- EF52-1 阪和線などでも活躍した電機。室内でお隣に展示されている新幹線と共にやってくるのかな。
- EF15-158 宮原総合運転所(新大阪駅近く)で動態保存という名の放置プレー中。これもぜひ。
- EH10-61 大阪市淡路の公園で展示中。屋根がないんであまり状態は良くないけど、ぜひ梅小路へ(この車両が日本の機関車の中で一番好きなんです)。
- EF58-50 これも宮原。運転は可能な状態にあるんで、ぜひ梅小路〜京都間で往復運転を。
- EF59 10 下関運転区にあるのをいただこうか。別に広島にいる21番でもいいけど。
- EF65-1 宮原で戸籍なしで静態保存中。
- DD51形 まだ早いのかなあという気もするが、もうそろそろいいだろ。テキトーに1両。
- DD54-33 弁天町の交通科学博物館の敷地の奥で隔離された場所(第二展示場 浪速貨物線の未成線跡)に在籍。京都山陰本線ゆかりの車両だしこれもいただきたい
- DF50-18 これも弁天町の隔離場所で眠る。山陰本線でも活躍していた。
- ナシ20 弁天町で食堂車として営業中。幼稚園のときから不思議なのだけど、この店、あまりうまくないんだ。京都に運び込むなら、もう少しイイ料理を出すように工夫して欲しい。京都なんだし、やっぱ都ホテルに運営して欲しいなあ。
- 14系・25系寝台客車 向日町や下関に廃車体が転がっている。14系でもいいんだけど、開放B寝台1両、プルマン式A寝台1両、個室B寝台車1両ぐらいは欲しい。
- 12系・14系座席車 梅小路に在籍して西日本各地で稼働しているC56とコンビで走らせるのに5両ぐらいはいるよね。これも宮原か向日町から持ってくる。「あすか」もそろそろ消えそうなんで、先頭車を1両くらいもってこよう。
- 旧型客車 宮原で動態保存中のマイテ49、オハ46、オハフ33、オヤ31の4両は梅小路でも頑張ってもらおう。EF58とコンビで本線走行する機会が増えることを期待
※弁天町の交通科学博物館も縮小しながら残るらしい。D51-2とC62-26は同形機がすでに京都にいるんで、弁天町に置いていく。DD13-638は僕が好きじゃないんで弁天町残留要員に。あとスハシ38-102とか客車も残りは弁天町に置いていこう。
旧国鉄 電車・気動車編
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- クハ86001 湘南電車として東京や大阪の東海道線で活躍した80系。これも弁天町にいる。モハ80001と一緒に来てもらおう
- クモハ11117 鉄道省が製造した最初の鋼製電車。下関車両センターにいるのを持ってくるか
- クモハ42001 2003年まで小野田線で使用されていて、これも下関に在籍。旧型国電で定期運転をしていた最後の車両なんだし、できれば動態保存できる状態で京都へ。京都駅と梅小路の間で1時間毎にピストン往復したりしたら面白いかも。
- クモハ52001 吹田工場に眠る関西国電の初代エース。当然、ここに来てもらわないと困る。
- クハ103-1 通勤電車の定番。そろそろ博物館行きだよね。永年大阪環状線→今は阪和線で活躍。これは梅小路送り決定だろ。
- 113系3800番台 福知山地区の合理化に尽力した珍車。→「あの113系3800番台運用終了に悲しむあなた。「寝台特急出雲を復活させる会」(石破茂会長)に参加しよう。 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」
- 117系 登場から30年。まだ使える。でも、博物館的には関西国電ルネッサンスを象徴する2代目エースは欲しいところ。クモハ52と並ぶ姿を見たい
- 485系 「雷鳥」は新幹線開業前には消えているよね。先頭車非貫通型とボンネット型、そしてグリーン車を1両ずつ所望
- 583系 北陸新幹線開業→「きたぐに」終焉は確定か。京都の博物館でこの電車を外しては絶対ダメでしょう。
- 0系 4両が弁天町(交通科学博物館)に展示。これの移籍は既定路線みたい
- キハ52 キハ20グループの代表として、大糸線で動いているのを1つは欲しい。→「大糸線のキハ52を観光資源として活かしたい。 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」
- キハ58-563 岡山電車区にキハ28とコンビで2両。これを京都に持ってきて動態保存に!!
- キハ81 あのブルドック顔は、ムーミンEF55より貴重。ぜひ弁天町から京都へ。
- キハ181 日本海新聞が「はまかぜ」の新車置換を伝えている。波動用も含めて、キハ181も現役引退になるのかな。80年代以降の山陰特急の象徴だったし、これも是非欲しい。
※改めて、以前、「まさか21世紀まで走っていると思わなかった485系「雷鳥」 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」や「「関西国電のエース」117系と国鉄型車両。 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」でも書いたけど、JR西日本って物持ちがいいなあ。北陸新幹線は2014年度開業と言うことらしいし、博物館オープンにあわせて北陸方面の車両はいろいろ欲しい。交直流急行用の471系なんかも候補に挙がるか。
関西大手編
と、いろいろ妄想を書き連ねてみた。
今晩、僕がふと思いついた車両を並べただけなんだけど、まだまだ漏れている車両もあるよなあ。車両には詳しくないし、トンチンカンなところもある。ラッセル車など、マスコット的に並べて欲しいのも数々。JR貨物に頼んで、貨車とか貨物機関車とかもきちんと展示して欲しい。
でも、リストアップすればキリがない。ここで挙げただけで50両は越える。梅小路蒸気機関車館にいる18両の蒸気機関車とあわせると70両か……。ちょっと大杉。実際、それだけの展示するスペースもないだろうし、セレクトも必要だ。
ただ、オレの博物館に、何を保存してみようか……と考えられるというのは、鉄道マニアとしては贅沢な悩みである。1/150のNゲージや、1/80のHOゲージの車両では、絶対味わえない快感だ。新博物館の準備に携わっているスタッフが羨ましい。
あと、これだけは言っておかねばならない。
弁天町にいる7105号機「義経」。鶴見緑地の花博や10年前の梅小路でのイベントなどでも活躍したけど、いつまでも関西に拉致しておくのは気の毒。そろそろ北海道の小樽へ返還するタイミングだと思う。代わりに小樽市総合博物館のキハ82-1でもいただこうか……とか言い出したら、DF50-18は名古屋のJR東海の博物館に寄越せとか、下関や広島の車両を京都に持っていくのはケシカランとか、日本の鉄道車両の"歴史問題"に発展しそうでいろいろややこしくなりそう。
そもそも、この計画。保存車両を京都に集中させることで、弁天町駅の博物館用地や、吹田工場、宮原の客車区などの遊休地を有効活用することが目的なのかも......とか邪推もしているのだけど、それはまた別の話。