夜行列車がなくなった北海道へ2年ぶりに行くゾ。

katamachi2009-10-09

 なんか、先週から急に北海道へ行きたい熱が高まってきた。
 前回行ったのは、2007年秋。DMVとC11ニセコ号に乗車し、宗谷本線・函館本線江差線札沼線の降りつぶしをし、それなりに充実した一週間を過ごすことができた。
北海道で鉄系の旅をしながら歩いた(その1) - とれいん工房の汽車旅12ヵ月
北海道で鉄系の旅をしながら歩いた(その2) DMVをついに試乗したゾ - とれいん工房の汽車旅12ヵ月
北海道で鉄系の旅をしながら歩いた(その3) 宗谷本線でひたすら降りたゾ - とれいん工房の汽車旅12ヵ月
 なんで、この時、北海道に行こうと考えたのかなあと思い起こすと、北海道三大夜行が消える直前だったんだよね。
 本土の鉄道マニアたちが常宿にしていた座席夜行であるが、「オホーツク」と「利尻」は06年3月に臨時格下げとなり、「まりも」も07年9月いっぱいで定期運転を終了していた。
 この時点では北海道の夜行列車の行く末については何も告知されていなかった。
 ただ、過去の事例から想像するに、臨時に格下げされた夜行列車って、末永く残るとは考えにくかったんだよね。僕だけでなく、旅行派・撮影派を問わず、多くの鉄道マニアたちが永年やってきた旅行スタイルが失われてしまう。そのことへの寂しさもあったんだろうと思う。
夜行特急「まりも」が9月いっぱいで廃止 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月
かつて北海道に憧れた鉄道マニアと夜行列車の全廃 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月

 そして、結局、「まりも」も含めた道内の臨時夜行は08年夏で運転終了。
 この時期、高校以来の旅行友達も次々と家庭に入ってしまったとか、まとまった休みが取りにくくなったとか、郵便局が民営化されて郵貯旅行への意欲が失われたとか、仮乗降場系の駅に降り尽くしたとか......まあ、いろんなことが重なって、僕が北海道へ渡る縁が失われてしまった。
 それから2年が経った。


 今回の渡道の目的というのは特にないんだけど、

  • 諸事情により、10月第二週の三連休は久しぶりにヒマになりそう
  • 日本航空の経営危機が表面化し、「JALのマイレージを使わなければモード」が急に高まった
  • 石北本線DD51牽引の貨物列車の運転が始まった(来年から減便予定)
  • テレビで川に登っていく鮭の大群のニュースを見て、急に筋子が食べたくなった

というのがきっかけといえるんだろうか。2年間我慢していた反動が来ています。
 行きたいのは以下。

タウシュベツ橋梁(上士幌町)

http://www3.ocn.ne.jp/~arch/index.html
 旧国鉄士幌線糠平駅〜幌加駅間にあるコンクリート製のアーチ橋。1955年に新線に付け替えられた後、ダム湖に沈み、水と風雪でボロボロに風化しながらも、鉄道線が1978年に休止→1987年に廃止された後も撤去されずに生き残った希有な存在。90年代の廃線ブームの頃から観光資源として注目され、今ではガイドブックにも掲載されるようになった。
 林道を行けばクルマでアプローチしやすいんで、これまで何度か現地に行ったことはある。でも、今年から林道の通行規制が始まったんだね。

 ちなみに、訪問予定日の10月11日は、上士幌町鉄道資料館で「ひがし大雪高原鉄道」の1500mトロッコ乗車体験が実施されているらしい。
http://www3.ocn.ne.jp/~arch/sijyo090909.htm

ふるさと銀河線りくべつ鉄道(陸別町)

https://www.shibare.or.jp/category/train/
 ちほく高原鉄道旧陸別駅構内に2008年にオープンした施設。陸別町の商工会が運営していて、旧線のレール500mを活用して旧ふるさと銀河線の車両の運転体験や乗車、トロッコの操作も可能になっている。
 この施設ができた経緯は「北海道ちほく高原鉄道株式会社の清算と陸別町の「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」などに以前にも書いているし、池北線の廃線跡込みでいろいろと回ってみたいと考えていた。

 ちなみに、訪問予定日の10月11日は、「ふるさと銀河線りくべつ鉄道まつり」が開催されているらしい。パワフル聖子のものまねショーとか婚活列車とか、キワモノ系イベントも別な意味で興味深い。

丸瀬布いこいの森 森林鉄道蒸気機関車 雨宮21号(遠軽町)

http://engaru.jp/kankou_info/maruseppu/sinrin-kouen/ikoinomori.html
 60年代まで旧丸瀬布町内を網羅した森林鉄道を走っていた雨宮製のナロー蒸気機関車が、1984年に公園内の遊覧鉄道として復活。公園系動態保存鉄道の先駆けとなった。マジモノのSLがホンモノの客車を牽引して走る風景は迫力満点。マニア的には魅力的な場所なんだよね。過去2回は走行シーンが撮れなかったんで、今回こそは……

石北本線でプシュブル運転するDD51(遠軽町など)

http://rail.hobidas.com/guide/archives/0100jr/cat2089/
 初秋から真冬にかけて北見地区から旭川・札幌方面へと出荷される農作物の輸送のために、石北本線ではDD51牽引の臨時貨物列車が1日3往復運転される。陽のある時間だと、下りは朝、午前、午後の3本が射程範囲に、上りは午後の一本程度。常紋峠を越える山間部を行く重連運転は、ここ十数年ほど全国の鉄道マニアの間で大きな注目を集めている。最近、プシュブル運転に変わったのが惜しいのだけど…… 
 でも、赤字額が凄いらしく、来年からは2往復運転に減便されるとか。
 ここに行っておこうと思ったのだけど、訪問日は祝日なんだよね。臨時便なんで運休になっている悪寒も。下は真冬に行ったら見事に空振りして、仕方なしにキハ183-0を撮ったときのヤツ

北海道のどうといったこともない道路を走る(各地)

 今回、鉄道はほぼ利用せずレンタカーで移動するんだけど、道内の道路って走っているだけでも愉しいんだよなあ。ただまっすぐに続く国道。アップダウンのある道道。ダートになっている林道。
 単調になって眠くなるという問題もあったりするのだけど(事故率も高いよなあ)、今ぐらいの季節だと窓を開けて走っていてもなんとか耐えられるレベル。車窓からの紅葉も期待できる。
 次の画像は知床横断道路の途中から遠く雲海の向こうに国後島を見るの絵。今回は夕暮れ時。どんな姿を見れるんだろうか。

たまに見つかる人家のあれこれ(各地)

 畑、畑、畑、たまに人家、牛、また畑……という道路沿いでたまに見つけるキッチュなあれこれも楽しみ。次のは小清水町にあるバス停の画像。あまりにも広すぎて場所を特定できる地名が存在しないんで、最寄りの民家の持ち主から名前を使っているんだよね。

料理自慢の民宿に泊まる悦び(各地)

 漁港の近くには、オホーツクの新鮮な魚介類を食卓に並べてくれる旅館・民宿があちこちに存在する。8000円も出せば、キンキ、花咲ガニ、いくら、ウニ、ホタテ……と、かなり凄い料理を食わしてくれる。
 僕が常宿にしているのは、羅臼町にある「網元料理の宿本間」http://minsyuku-honnma.jp/。漁業をやっていた年配の夫婦が料理メインの漁家民宿をやっていてくれる。泊まる施設も木造の趣深い所なんだよね。
 あとは霧多布の宿(今回初)も予約。
 北海道好きにはお馴染み「船長の家」http://www.sentyounoie.jp/の胃袋の修行になる晩飯も懐かしかったのだけど、ちょっと今回はスルーになりそう。

鉄道廃線跡と温泉でも歩くか

 雄別鉄道、池北線、士幌線、相生線、根北線、標津線……といったところもポイントポイントで廃線跡は見たいね。
 あとは温泉。道東と言えば何が何でも温泉。今までなにかとご縁のなかった瀬戸瀬温泉には入っておきたい。知床半島の先っぽにある相泊温泉とセセキ温泉はまた逝きたいね。

もちろん現役のJRローカル線に乗りたい(石北本線根室本線)

 とりあえずはキハ40・キハ54使用の普通列車には何度か乗っておきたいね。廃止するとかなんかとの噂は十数年前に取りざたされて以来、特に話題にはなっていないが、とことこと平野から峠へとカーブの音を軋ませながら走っていく普通列車には独特の魅力がある。
 上川・新得から東の石北・釧網・根室本線の駅は、25年間かけて大部分乗り降りしたので、未訪の昆布盛駅とかに行くか。




 で、今週の水曜日に中部→釧路間の切符を抑え、ひと息に旅行日程を立ててみた。
 けど、滞在3泊4日じゃたいして動けないんだよね。上の目的全てをクリアーするのはムリ。どこを削って、どこを残していくのか。今、その検討の最中なんです。
 てか、台風18号が道東方面を直撃した後で、天候はとりあえず、強風や豪雨の影響で道路や紅葉はどうなっているの。ニュース映像で石北峠で雪が降っているのですが……とかの心配もあるのだけど、それはまた別の話。