2030年代にユーラシア大陸一周のリニア鉄道を実現するために!
今日、うちの最寄り駅の改札を潜り、コンコースを歩いていると、外から拡声器の音が聞こえてきた。選挙運説らしい。
そういや、この夏、参院選があったっけ。なんか気が早いなあ......
と、思って階段を降りていくと、背広で身を包んだ青年と、青い服を着た女性の集団がいた。
「民主党のやっている公共事業削減は地域経済を疲弊させるだけです。私たちはリニア鉄道を●●県に建設して……」
アッー! 幸 福 実 現 党 だ!
あまりにも懐かしくて、ついついそこで配っていたマニュフェストのビラをいただきました。
この政党、次も頑張るつもりなのか……
以下、「元気を出せ! ニッポン」ってビラより。
日本を自由の大国に、繁栄の未来を築いていきたい、というそのお題目はいいんですよ。
でもねえ。
- 不採算の地方空港の整備中止も、都市と地方の格差を広げるため行いません
- ダム建設中止は、建設・ゼネコン不況に繋がり、大量の失業者を生むため、行いません
- 温室効果ガスの25%削減は行いません
- 返済猶予は〜行いません
とかはいいけど、民主党なんて顔負けのバラマキ施策の連続。
やはり肝は、
とかをマニュフェストに盛り込んじゃうアレなところでしょう。
それで、
- 2030年 日本の人口が3億人に GDP(国内総生産)世界一
になってしまうそうです。
いまどき国内総生産で一番になっても仕方ないだろ、てか、30年で3億人なんてどうやるんだね。
という疑問は軽くスルー。
- 人口増加策で、保険料や税金を納める人が増えれば、年金問題は根本的に解消できます
なんだそうです。
いや、そういう話じゃないだろ。
で、最後に載っているのが「未来ビジョン」。
- 幸福実現党は「繁栄の未来」を約束します
ということらしいんで、その詳細を書いていくと、
は、まあ、この人たちこそ「ゆとり」の産物だよなあという感想はさておき、
- 2013 リニア鉄道建設が本格化。建設業界活性化。日本に再び高度経済成長が起こる
- 2015 農業が「新たな農地解放」によって復興。食糧自給率70%に向け上昇
- 2016 ロボット産業や航空産業などが発展。外国人の移民が飛躍的に拡大
となると、なんともかんとも。今後6年間の飛躍がなにを原因にして起こるのか。このマニュフェストではさっぱり分かりませんでした。
さらに、
- 2018 宇宙航空便が開発され、日本〜ニューヨーク間が2時間で結ばれる
- 2019 全国主要都市を結ぶリニア鉄道が次々と開通
- 2030 日本の人口が3億人に GDP(国内総生産)世界一
- 2030年代 中国・北朝鮮の民主主義国化後、ユーラシア大陸一周のリニア鉄道の建設開始
- 2050年代 全世界の核廃絶の実現へ
- 2060年代 月や火星での基地建設構想が本格化する
ともなると、遅ればせながら「鉄腕アトム」的時代が到来することになりそうです。
こういうのを「未来ビジョン」としてマニュフェストに書いてしまうところが、ここの政党のアレなところなんですよね。
エイプリールフールのような話だけど、マジな話。この手のヨタ話を夏まで聞かされるのかな。
でも、「09年衆院選向けマニュフェストを読んで、各政党の鉄道政策を見比べる - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」で紹介した昨夏の衆院選で、
- 10 年以内に日本列島をリニア新幹線で貫き、都市間の結びつきを強めます
と訴えていたのと比べると、かなり目標は後退しているんですよね。
- ラッシュ時に2階建て列車を走らせるなど、鉄道の混雑緩和をはかります
- 50 階建てぐらいの高層ビルを数多く建て、30 階ほどの高さをモノレールで結び、都市の移動手段とします
とかは入っていないし。
なんだかネタ政党が妙に現実路線に行ってしまうのは寂しいよなあ、とか思ってしまったんですけど、それはまた別の話。