2010夏 東北地方485系数珠繋ぎの旅

katamachi2010-08-14

 てなことで、「きたぐに」で新潟に入り、羽越本線奥羽本線東北本線と本線区間を回ってきました。
 本来の目的は鉄道趣味とはまた別なところにあったのですが、それは後述。鉄道趣味的には東北地方の特急網を支えてきた485系特急電車を乗っておきたいというところにありました。今年12月に東北新幹線新青森まで開業するとかなり変更が行われることが予想されるからです。以前、「東北・北陸・北近畿・九州から消えていく485系 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」でも書きました。
 8月11日夜に「きたぐに」へ乗り込み、夜明けと共に北陸路を進み、翌8月12日早朝直江津に到着。
 おお、さっそく485系が待っていました。

  • 快速くびき野

 快速「くびき野」として新井に向かう編成です。上越市内の新井から新潟へ向かうビジネス用快速です。直流区間を行くのに交直流電車とはいかに.....
 この快速には何度か乗ったけど、今日は583系で長岡まで行くんでここで見送り。

 485系天国の羽越本線。JR以降に投入された新車の追随を許しません。というか、車両の体質改善の相手というか対象にされていません。さめざめ
 今日の「いなほ1号」は方向幕がノーマルなタイプですね。
 僕らは「きたぐに」を長岡で降りて上越新幹線で新潟に先回りしたんで座席を見つけられました。
 でも、東京始発の「とき」、遅れて「きたぐに」が来ると、お盆なんで自由席は定員以上で溢れています。なら定時6両から8両に増結してよ、というだけど、なにも対応されていないなあ。


 どんよりとした日本海を眺めながら北上し、笹川流れを満喫しながら山形県内に。立席客は、あつみ温泉駅で解消し、鶴岡で3割ほど下車。
 酒田には定刻に到着しました。ただ、ポケットに入れていた乗車券が見つからず、改札前で立ち往生。10分ほど体中を探していると、駅員さんがホームの上で風に揺られながらころころと転がるマルス券を見つけてくれました。ああ、追加料金を払わなくてよかった。
 無事酒田で下車し、駅から少しはなれたレンタカー屋で車を借りて、秋田県羽後町・山形県金山町・大蔵村と回り、肘折温泉泊。


 翌13日はまた酒田に戻ります
 今日は昨日と同じ「いなほ1号」でさらに北上します。
 でも、やってきたのはリニューアル改造の3000番台です。前の電光表示が......かっこ悪い。一昔前の技術なんだよね。微妙にイラスト部分の稲穂の部分が揺れているという小芝居がされているけど、それが技術の古さを再認識させてくれる。
 この日はお盆輸送もひと段落ついていました。

  • 特急かもしか(秋田→青森)

 奥羽本線北部のローカル特急。3両編成だけど、これが混んでいるはずはないだろ……
 と思って「かもしか3号」発車10分前に行ったら、長蛇の列でした。ええ、なんだこれ。「こまち」からの乗り換え客はそれを見ているとみんなため息ついている。お盆くらい2両増結すればいいのに。余裕がないのかな
 途中、EF81牽引機のコンテナ列車が隣に停車しました。この日、あちこちで貨物とすれ違いましたが、ほとんど機関車は新型に変わっていました。東海道本線ではまだEF81がフツーに走っているんで油断していましたが、北のほうはかなり置き換わってしまっているんですね。

 大館まで立ち席は続いていた。その後も入れ替わりながら8割ぐらいの乗車率で力走する。車端部にいましたが意外に揺れは少ない。
 そのまま軽やかに陣場を通過し、矢立峠を越えて碇ヶ関へ向かう。3両編成という往時の面影はないけど、スピード感は最高だ。乗っていて気持ちいいよ。
 弘前でも乗り降りがあって、完成間近になった巨大な新青森駅を通過すれば、まもなく終着青森駅

  • 白鳥

 しばらく青森で小休止。
 ここも新幹線開業を前にして構内のあちこちで工事が始まっています。青函連絡船が1988年に無くなって27年。今年2010もまた青森駅を支えてきた特急網がほぼ解体されてしまう。寂しい時代になりました。駅構内も全面的に改装されるのかな。いまどきエレベーターもなく、バリアフリー的には使いにくい駅です。高松駅みたいに頭端式ホームにしてくれたら乗り降りしやいくなるのだけど.......
 青森駅前のフェスティバルシティアウガの地下で土産物の購入。お盆シーズンなんで品揃えはイマイチでした。駅構内の売店でもいろいろありましたが、わさおグッズ(ぬいぐるみ)が目立つところに並んでいました。id:merecoさんの「イカの町で出会ったモジャモジャ犬「わさお」 - メレンゲが腐るほど恋したい」から始まった「わさお」フィーバーはついに青森駅にも進出しているようです。わさおとは何者なのか、まったく注釈の無い陳列でしたが、もう語る必要も無いほどおなじみの存在になったのかな。
 ホームに行くと、ちょうど函館行き「白鳥」が入線しています。485系のリニューアル車でした。
 こちらも乗りはいいです。八戸からの客が降りた後、函館への乗り換え客もやってきます。


 まあ、僕らの世代だと「白鳥」といえば大阪〜青森直通のアレですよ。東北北海道に行くとき何度も乗ったなあ。1988年の青函トンネル開業翌日、大阪に戻るのに青森から乗り込みましたがマニアだらけでした。2日間ほぼ完徹が続いて疲れていたんで、「白鳥」に乗り込んだ後に熟睡。次の弘前どころか、進行方向を変える新潟、富山金沢も気づかず、次に気づいたら終着大阪。駅員さんにたたき起こされていました。

  • つがる

 さあて、ラストは「つがる」
 と意気込んでいたら、E751系が6連でした。残念。485系じゃないのか。まあ、下調べをしないのが悪いんだけど。

 これも、青森駅みどりの窓口では満員表示。6連で増結なしじゃ仕方ないのかな。
 ただ、八戸まで1時間。よく揺れました。本当に。車端部の席という点では485系「いなほ1号」「かもしか3号」と同条件なんだけど、ちょっとひどすぎ。最高速度130キロにスピードアップ&軽量化したからなんだろうけど、なあ.......
 八戸は定刻着。隣のホームに待機していた「白鳥」は485系でした。最初から「白鳥」を狙えばよかったかな


 と、酒田での離脱はありましたが、2日間かけて四つの特急を乗り継ぎ、八戸から「はやて」で南下。東北新幹線新青森開業前の最後の姿を体験してきました。特にこれといった狙いも目的もなく、ただ淡々と列車に乗っていていただけです。
 ここ十年ほど、鉄道旅行をする際、自分なりの位置づけと目標を設定しながらプランを組んでいましたが、こうやってただ移動するだけの旅もいいですね。485系特急なら乗っているだけでも十分楽しかったです。
 となると、次は九州の日豊本線485系特急縦断旅行かな。あっちも2011年3月でおしまいだし......と秋の旅行計画も考え始めたのですが、それはまた別の話。<参考>
東北・北陸・北近畿・九州から消えていく485系 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月
<追記>
 今は大井町のJR西系のホテルに滞在し、机においてあるパソコンでリアルタイム更新しました。
 あと、本日14日、コミックマーケット2日目の委託先で先行して新刊2冊販売しましたが、無事持参数は捌けました。ありがとうございます。明日は「とれいん工房」名で参加予定です。ぜひ声をかけてください。では
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