京都大学が運営する芦生森林鉄道を訪ねてみた(後編)
京都府南丹市、旧美山町の最深部にある芦生に行ってきました。京都大学フィールド科学教育研究センター森林ステーション芦生研究林、通称、芦生演習林内にあるトロッコ軌道をハイキングするためです。
ここが面白いのは大学が運営するトロッコ鉄道であること、そしてそれがいまだに現役であることです。
といこうとは、京都大学が運営する芦生森林鉄道を訪ねてみた(前編) - とれいん工房の汽車旅12ヵ月で書きました。
その続き。
由良川を渡る橋を越えると、こんな看板があります。
マムシか......ちょっと気をつけないと。と、共に、ここが大学の研究の場であるということを自覚されます。
へろへろのナローゲージが山あいの林に沿いながら続いていきます。
興味深いのは上の写真。軽くカーブしている箇所なんだけど、レールとレールの継ぎ目が折れ線のような形になっているんですね。今でもトロッコは入るようだけど脱線しないのかしら
と、歩く部分に軽く板が埋められているだけの箇所もあります。道床と地面とが一体化した雰囲気がまたトロッコ線らしいとも言えます。
画像を見れば分かりますが、レールの続く箇所はほとんど光が当たらないんですよね。
鬱蒼とした森......というわけでもないんですが、夏の暑い日、直射日光が注がない地域だというのがまた有り難い。もやっとした湿度はありますがあまり気にならないほどです。
演習林の看板です。おおお、禁止すると言うことは、ここまで自転車やバイクが入ってくることもあるのか。オフロード好きの人たちで無茶する人もいるんだろうか。
ようやく日差しがあたる箇所に来ました。
ここで奥から戻ってきたハイカー3人組とすれ違う。僕たち以外で今日お会いした唯一のグループです。
分岐ポイント跡ですね。ここでトロッコが行き違いしていたんでしょうね。
さらに歩きます。由良川の橋から1kmほど歩いたところに、小さな鉄橋がありました。
長さは2mほど。かわいらしい橋です。
ここから路盤も枕木はさらに劣化していきます。
切り株を迂回しながらレールはくねくねと縫って進みます。
レールと枕木が道床から分離していますね。遊歩道としてもちょっと歩きにくいけど、それもまたイイ感じを醸し出しています。
また分岐ポイントです。
行き違い部分のレールは途切れていますが、そこだけ避けるようにして木々が植えられています。
ここは由良川最上流の人家があった灰野集落。1960年に廃村になったようだが、かつては林業関係の山仕事のほか、川魚を売ったり山越え者用の宿としての役割もあったみたい。
この先の灰野橋はちょっとした長さはあります。
灰野谷を渡ればトチの巨木を迂回するようにしてレールは続きます。
ここにも交換設備があって、行き違い部分のレールも途中まで続いています。
トタンの下に隠れているのは枕木でした。トロッコを運転するとき、路盤がダメになっている箇所を修復するために置かれているのでしょうか。
線路の脇に鳥居があって、ここには灰野神社の祠が祀られています。
トロッコが行き来しているのは、このポイントまでだと言われています。
というのも……
レールの下の道床が流れてしまっている場所もあるし、土砂で埋まっているところもある。ちょっと修復するのは難しそうです。
そして、赤崎谷出合。
ここで路盤は完全に崩壊していました。
歩行者用の通路がその跡地に敷かれています。
コヨモギ作業所まで行こうかと思っていましたが、ちょっとトロッコ道が荒れてきました。ここで退却しようと思います。
見送りに現れたのが、
カエルさん。起点から1.5km地点ですかね。
また涼しい時期にでも来たいなあと思っていたのですが、それはまた別の話。
この後、旧美山町北の茅葺き集落を見てきました。
バスでの芦生へのアクセス(土曜日)。
http://www.city.nantan.kyoto.jp/bus/img/bus7-1.pdf
やっぱり6時間はかかるんだなあ。
京阪京都交通の美山ネイチャー号が便利です
http://www.keihankyotokotsu.jp/info/2010/miyama/
でもクルマじゃないと行きづらいアクセスですね……