講演会「片町線115年 ―覚えておきたい10の出来事」御礼。
前回、紹介させていただきました講演会「片町線115年 ―覚えておきたい10の出来事」ですが、この日曜日、無事終了しました。
会場は、特別展がされているのと同じ鴻池新田会所の本屋の土間。
宝永4年(1707)の会所創設当初からあった建物らしく重要文化財に指定されているとか。小作人が納めた米とか河内木綿がここに山積みされていたのでしょうか。
そんな一風変わったところでの講演。
天気は小雨がパラパラ、午後からはかなり雨脚が強くなるという予報。
開始1時間前に現地に行って担当者と打ち合わせしたのですが、こりゃ、参加者少ないかな、と正直な会話をしていました。
天気がいいと、近所の方がふらりと立ち寄ってくれるケースが多いけど、この雨じゃ......ということらしい。会場のキャパは50人分用意されていたのですが、30人ぐらいに落ち着くのかなあ。まあそれでも僕的に多いのは多いんですが、どうせなら景気がいい方がありがたい。
ヒマだったんで、見に来てくれた知人と雑談をしていると、状況が変わりました。30分前になって会場のイスから人が溢れてしまったそうです。60枚刷られたレジュメも急遽増刷することに。
イスでは足りなくなり、土間の隣にある座敷にも座布団が並べられました。
そして、13:30からパワーポイントを使った私の講演。
- 1.浪速鉄道 1895年(明治28年)
片町線の原型を作った資本家たち
大阪・名古屋を結ぶ最速急行が行く
- 3.蒸気動車 1912年(明治45年)
蒸気動車運転開始と野崎、鴻池新田、新喜多、京橋乗降口
1927年 京阪が片町線乗り入れ認可
- 5.片町線電化 1932年(昭和7)
- 6.城東貨物線と軍事輸送 1931年(昭和6)
淀川貨物線と城東貨物線。鉄道貨物ネットワークとの一体化
陸軍造兵廠と軍用貨物側線。香里、禁野(枚方)、川西(祝園)
- 7.片町線複線化 1969年(昭和44)
- 10.片町線クロニクル 2010年(平成22)
片町線のプロジェクトの終結。これからの片町線に求められること
という話でしたが、予想通りというか後半は一部、時間の都合で駆け足になりました。
見に来た友人たちによると、講演そのものはマニアックな話を淡々としているんだけど、話している僕の顔が嬉しそうだったということです。たぶん好きな片町線の話をフリートークでできる機会なんてめったにないんで、心の底から楽しんでいたんでしょうね。
終わって30分後の会場。鉄道とは関係なしでも楽しそうなフリースペースでした。
なお、最終的に参加者は110名を越えた、とのことです。鉄道マニアな方も多数来ていただきましたし、地元の方も雨ニモ負ケズそれなりに来てくれたという印象です。小さな博物館なんで、そこまで大量のお客さんに恵まれることもないそうで、館長さんたちも含めてみんな喜んでられました。
そんなに鉄道好きではなさそうな、ご近所に住んでいる年上の女性の方から「あんた、面白かったよ! 歴史の話を聞かせてくれて良かった。ありがとうね!」と肩を叩いてもらったのが一番印象に残りました。
ここのブログでの告知を見た、という方も何人かいらっしゃいました。拙い話で恐縮でしたが、本当にありがとうございました。
特別展「片町線ノスタルジイ」
企画展自体は、11月7日まで続きますんで、ぜひ機会があればお越し下さい。来館者には「片町線ノスタルジイ 展示解説書」の図録が配布されます。
- 特別展「片町線ノスタルジイ」
場所:鴻池新田会所 東大阪市鴻池元町2-30(鴻池新田駅から徒歩5分)
期間:2010年10月2日(土)〜11月7日(日)(月曜休館)
開館時間:10:00〜16:00
入館料:大人300円 小・中学生200円
電話:06-6745-6409(鴻池新田会所)
HP
http://www.bunkazaishisetsu.or.jp/kaisho/index.html
http://www.bunkazaishisetsu.or.jp/kaisho/download_folder/2010f_poster_A4.pdf
- 展示の紹介
片町線の展示がされている乾蔵。真後ろの高架線は片町線のものです。
鴻池新田駅のジオラマ。その上に鴻池家秘蔵の鴻池新田駅図面などが展示されています。
片町線の消えた駅や路線、車両の紹介パネル。その下は当方の所有パンフとかオレカとか切符とかいろいろです。
昭和40年代当時の片町線を行く電車がスライドショーになっています。
講演会も、10月24日(日)に第2回目として「禁野火薬庫の復元と片町線」が実施されます。
禁野火薬庫というのは、1897年、淀川左岸に開設された陸軍の弾薬貯蔵施設で、京阪枚方市駅の東側に位置します。その後拡大・爆発を繰り返しながら終戦を迎えました。片町線津田駅と火薬庫の間に軍用側線が敷かれていました。火薬の誤爆で100人近い人がなくなったという惨事もありました。戦時中は津田駅にC11が常駐していました。
近年、発掘調査が精力的に実施されており、有意義なお話しが聞けるものと思います。文献史料や発掘調査の成果などから、用地・施設・弾薬輸送方法などの変遷をお話しされるようです。そちらもぜひ。
と、本日の報告はお礼かたがたここまで。上にも書きましたが、企画展自体は、11月7日まで続きますんで、ぜひ機会があればお越し下さい。
→当日の講演レジュメ「「片町線115年 ―覚えておきたい10の出来事」の講演会資料 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」で公開しています。