来春には消える元485系の「はしだて」と「北近畿」を乗り継ぐ

katamachi2010-10-16

 ここ1年、仕事で宮津に訪れることが何度かあった。京都発の特急「はしだて3号」か「タンゴディスカバリー1号」を選択することが多かった。
 いつ乗ってもさほど混んでなかったが、先月末に「タンゴディスカバリー1号」に乗車したときは宮津経由豊岡行き2両の乗車率は4割ほど。いつもはもう少し客がたくさんいたけど、ちょいと客が減りすぎているなあという印象を抱いた。これも高速無料化の影響か。

 福知山から乗ってきた客は6人ほど。うち最低5人は大阪発の「北近畿」からの乗換客だ。なぜ分かるのかというと、5人とも私の参加する会議の出席者だったからだ。
 この日、会議には20人が参加していたが、鉄道利用者は10人。意外に多い印象もあったが、みんな口を揃えて鉄道出来たら遠いなあ、ということを指摘していた。一方、クルマ利用は高速無料化の恩恵を嬉しそうに語っていた。
 まあ、そういうことになるんだろうね。京都縦貫道と舞鶴道が無料化したんで京都からも大阪からも丹後方面に行きやすくなった。


 帰りは宮津10:05発の特急「タンゴディスカバリー2号」に乗る予定にしていた。大阪で用事があったので福知山で「北近畿」に乗換予定。
 ただ、宿を出るのが遅れて間に合わなかった。
 次は10:30発の普通があるが、これだと福知山で1時間半待ち。その後、1時間毎に普通は運転されているが「北近畿」との接続が滅茶苦茶悪い。まともに乗り継ぎされるのは宮津14:02まで4時間ほど空いてしまう。
 仕方ないんで天橋立北近畿タンゴ鉄道で趣味活動をした後、14時の「はしだて6号」に大江から乗り込んだ。平日午後の4両編成のうち自由席2両は4割程度の乗りで意外に多いように見えた。


 福知山は14:32着。7分停車のうちに3両を増結する。

 担当するのは女性の方。手早いものだ。運転士や車掌が解結作業をしている姿もここ10年ほどで珍しくなくなってきた。

 その間、城崎からの「北近畿」が到着(右)。僕はそれに乗り換える。


 ただ、同じように福知山駅で「北近畿」に乗り継いだのは10人程度。北近畿タンゴ鉄道からの客のほとんどは京都方面へ向かうことになる。
 隣りに城崎温泉行き「きのさき」が現れて、福知山駅北近畿方面特急の三羽がらすが揃います。

 「はしだて」は14:39に定刻に発車。6分停車の「北近畿」は14:44に出発する。
 相互に連絡しあうというアイデアはいいんだけど、それがゆえに停車時間がやたらと長くなってしまっている。前後に単線区間があるためダイヤに余裕をもたせているのだろう。
北近畿ビッグXネットワーク」と称して各特急間の連絡を強調しているんだけど、ちょっと使いづらいんだよなあ。


 「北近畿」の自由席は5割程度の埋まりだった。

 冷房の利きが良すぎて、暑がりの僕でも寒く感じていた。なかなか細かい調整が出来ないんだろう。そわそわしている女性客を見かけて車掌が操作に走ったが、しばらくは寒すぎ状態が続いた。
 元485系らしい定番の内装と設備を味わいながらの旅というのは懐かしいものである。改造に改造を重ねた老朽車。下の画像は三相切替スイッチ。なぜかゴミ箱の上、扉の隣りに乗っかっている。

 わずか4両編成でも車内販売が健在というのが嬉しい。

 途中、何人か乗車し、三田で10人ほどビジネス客を加えて乗車率7割程度で大阪駅に到着した。
 デジカメを構えた若い子が何人かいた。大阪駅の16〜17時台、「日本海」を筆頭に「雷鳥」、「はまかぜ」、「北近畿」、「文殊」と国鉄型特急が次々と発着するからで、土日はその姿もそれなりに多くなっている。三脚やフラッシュを使う人も少なくないし、来春にはまたいろいろと問題になるんだろうか。



 で、その数日後、神戸新聞特急北近畿、「こうのとり」に改称検討 JR西という記事が出た。「北近畿」が「こうのとり」に改称されるという内容の最後に、

北近畿タンゴ鉄道9件に乗り入れる「タンゴエクスプローラー」(新大阪‐宮津・豊岡)と「文殊」(新大阪‐天橋立)を廃止する方向で調整している。

とあった。


 ああ「文殊」、なんか次のダイヤ改正で消えそうな悪寒がしたんだよね。もう一本遅い宮津15:11発の「文殊2号」に乗れば良かった……と、「北近畿」に乗車しているときにも思った。
 僕の勝手な妄想が妙な方向で実現しそうで申し訳ない。
 ただ、実際、この日も「はしだて」から「北近畿」に乗り換える客が少なかったし、他の時も何度かそういう姿を見ている。大阪と丹後方面への移動に鉄道を利用する人はやっぱり少ないんだよね。
 最近、休車代走が多い「タンゴエクスプローラー」とか、北近畿タンゴ鉄道の悲惨な赤字額とかについても語ることがたくさんあるのだけど、それはまた別の話。<続き>
特急「北近畿」に乗りながら北近畿タンゴ鉄道と「タンゴエクスプローラー」を考える - とれいん工房の汽車旅12ヵ月
<参考>
2010夏 東北地方485系数珠繋ぎの旅 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月
東北・北陸・北近畿・九州から消えていく485系 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月