弘南鉄道弘南線のラッセル車キ104の試運転列車

katamachi2010-12-21

 先日、東北に出かけたのは岩手県で仕事があった関係だったんですけど、その前に青森県に立ち寄ってきました。東北新幹線青い森鉄道とあわせて弘南鉄道にも訪れました。14年ぶり3回目の訪問でした。
 当初の目的は単に乗車&下車駅を増やすことが目的だったんですが、ちょっと調べていると、電鉄倶楽部さんのHPに貴重な情報が載っていました。「弘南のラッセル試運転 報道公開の上、走行する」、と。

  • 弘南線 12月13日・14日 黒石13:30発
  • 大鰐線 12月15日・16日 大鰐13:40発

の計4日。弘南線の2日目の運転日が青森県訪問予定日でした。
 これ幸い、と予定より長めに弘前を訪問することにしました。

大鰐でキ105を見た後、弘前経由で黒石へ

 「寝台特急「日本海」は北へ - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」で書いたように「日本海」に乗っていたのですが、大鰐温泉で下車。立ち寄り湯の温泉に浸かった後、大鰐線大鰐駅に寄ってきました。
 小雪がぱらぱらする中、ホーム近くの車庫に停まっていたED22-1+キ105の姿。

 今回、望遠レンズを家に置いてきたんでちょいと被写体まで遠いです。
 なんで、大鰐駅を出た直後の電車から側面を。

 う〜ん、レンズが曇ってしまっていたよ……
 この後、義塾高校前駅近くで「あけぼの」を撮影したり、未下車駅を訪ねたりしながら中央弘前駅。徒歩移動で弘前駅へ。
 そして弘前駅12:30の弘南線普通で黒石駅へ向かいました。車中には同業者が3人ほどいたかなあ。みんなラッセル狙いなんでしょう。

黒石駅で黒煙を噴き上げるキ104

 今日の目玉、ED33-3+キ104はホーム隣の側線で待機していました。

 いかつい顔した「鉄人28号」系のラッセル車です。
 旧国鉄のキ100は1928年から製造の始まった単線用のラッセル車蒸気機関車に押されながら真冬の鉄路で活躍しました。
 キ104は昭和4年(1929年)の銘が付いています。

 電気機関車もかなりの古豪です。1923年アメリカ製造で元々は武蔵野鉄道西武鉄道で活躍していました。50年前に弘南鉄道にやってきてからは貨物列車の牽引、そして今はラッセル車の牽引にあたっています。

 大雪時は、キ104を先頭に、後ろからED33が押していく形になります。

 回りで撮影していると、突然、機関車のモーターが動き始めました。そろそろ稼働するようです。
 13:11、側線から出て、本線に入っていきます。
 3分後、1番線ホームに到着します。

 ラッセル車キ104の先端から黒煙が出ています。機械室のモーターが動いているんでしょうね。

 斜め後ろから見たキ104。なんとなくパーマをあてたオバサンのような感じです。

 やがてわらわらとラッセル車の試運転に立ち会う社員さんが10人ほど集まってきます。みんな最終点検に余念がない。
 そのうち、黒煙がホームに立ちこめるようになってきました。

 燃焼系の調子が悪いんですかね。でも、なんの問題もないようで、スタッフたちは車内に乗り込んでいきます。

境松駅津軽尾上駅で走行するラッセル車を迎撃

 もうちょっと見ておきたかったのだけど、黒石駅13:30発の試運転列車に先駆けて、先行する13:20発の普通でどこかへ先回りしなければ。ブザーが鳴ったんで、お隣の普通に乗り込むことにする。
 試運転列車をどこで迎えるのか。弘南線沿線では雪が完全に溶けていたんで、あまり冬らしい景色は期待できない。
 なんとなく黒石駅の1つ手前の境松駅が気になったんでそこで下車。
 ホーム側の鉄橋を渡るところを待ち受けます。
 13:33、計算より少し遅れてラッセル車の到来です。


 橋の真下から雄志を見送りたかったんですね。


 この後、平賀駅に立ち寄って準片や国鉄連絡を含めた硬券を一通り購入した後、津軽尾上駅に回りました。
 ここで黒石駅へ戻る帰りの便を狙うつもりです。
 15:30、今度はED33を先頭にした試運転列車がやってきました。

 ここで上り弘前行きと交換するんです。
 この電車に乗らないといけないんで、「鉄人28号」顔のキ104とはこれでお別れ。

 お疲れ様、と声をかけるまもなく、電車の扉は閉まってしまいました。
 と、永年、待ち望んでいたラッセル車体験の旅はおしまい。
 ただ、正直なところ、雪のある風景での走行シーンを見たかったんだよね。真冬に東北へ来る機会があればぜひ本番で雪を吹き飛ばしている姿を体験してみたいのだけど、それはまた別の話。