夜行特急「まりも」が9月いっぱいで廃止

katamachi2007-07-27

夜行特急列車「まりも」は、週末及び年末年始など繁忙期を中心とした臨時列車として運転します。
 JR北海道「平成19年10月ダイヤ改正について(2007.7.11)」http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2007/070711-1.pdf


 最近、同人誌編集モードでに入っていて日記の更新ができていない上に、鉄ネタ情報の収集すらままならなくなっているのですが、知らないうちにJR北海道の夜行特急「まりも」が廃止されることになっていたんですね。ホームページのダイヤ改正情報というページでは「スーパーカムイ」登場とか新車導入でスピードアップとか目出度い話しか書いてなかったんですが、7月11日のプレスリリースに載せられたPDFにはマニアとして衝撃的な一行が加わっていました。
 一応、「まりも」は「臨時列車として運転します」とされています。廃止じゃないよと予防線を張っているのは関係者に対する配慮があるのでしょうか。でもなあ。これって国鉄的には「廃止される」ということですよね。ああ、かつて旅行派鉄道マニアみんながお世話になった北海道三大夜行がついに全滅してしまうのか……寂しいなあ。
かつて北海道に憧れた鉄道マニアと夜行列車の全廃 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月(2008.4.18)
 このように、夜行列車の運転を取りやめる際、「出雲」や「彗星」、「さくら」のようにひと息で廃止されてしまうのではなく、「臨時で運転します」と多客臨に格下げするケースは過去にも何度かありました。昨年の春に廃止された特急「利尻」、特急「オホーツク9・10号」も季節臨として残ってはいます。
 でも、こうして定期から季節臨に格下げされた列車って、だんだん運転本数が減らされて、数年後には全廃してしまうんですよね。

  • 定期から臨時に格下げされた夜行列車の末路
愛称名 区間 定期廃止年 臨時最終年
天の川 上野-秋田 1985年 1994年
立山 大阪-富山 1985年 1992年
ゆうづる 上野-青森 1993年 1994年
津軽 上野-青森 1993年 1997年
八甲田 上野-青森 1993年 1998年
上諏訪夜行 新宿-上諏訪 1993年 1998年
あさかぜ1・4 東京-博多 1994年 2000年
つるぎ 大阪-新潟 1994年 1996年
さんべ 米子-博多 1997年 1999年
新宮夜行 新大阪-新宮 1999年 2000年
ミッドナイト 函館-札幌 2001年 2002年
アルプス 新宿-信濃大町 2002年
ちくま 大阪-長野 2003年 2006年
利尻 札幌-稚内 2006年
オホーツク 札幌-釧路 2006年
まりも 札幌-釧路 2007年

 ああ、こうやって改めてリスト化してみるとJR化後に消えた夜行列車ってたくさんあるんだな。あの頃は、周遊券で行き来して、ワイドのフリー区間では、深夜に上川駅や名寄駅、新得駅八代駅、福島駅などで下りと上りの列車を乗り換えることで宿代を浮かしたりしたもんです。そんな話も今は昔。
 で、本題となっている定期からの格下げ臨ですが、なかなか長続きしないんですね。「ちくま」も去年夏から運行をしていないようだし、「アルプス」改め「ムーンライト信州」も本数は減らされている。「利尻」改め「はなたび利尻」の夏(6〜9月)の運転本数を比べると、2006年シーズンは札幌発で90本運転されたの対し、2007年は75本に減らされています。来年はどうなるんだろう。9月とかの運転は止めちゃんじゃないのだろうか。
 一度、夜行を廃止してしまうと深夜帯に駅や関連施設に配置される人員はかなり合理化されてしまいます。そんな路線に、臨時とはいえ夜行列車を走らせるのはかなりの手間になります。積雪の多い真冬に走る石北本線の臨時夜行なんてダイヤを確保するのは大変でしょうね。その点では、石勝線や根室本線の場合、夜行貨物が走っているから臨時夜行特急の運転はラクなのかもしれない。「まりも」の臨時は長生きしてくれるかな……
 これで秋以降も定期で残る定期座席夜行は、「はまなす」、「ムーンライトながら」、「ムーンライトえちご」、「きたぐに」、「ドリームにちりん」、「能登」の6本。
 このうち一番存在意義が謎なのが「能登」なんですね。関西の自宅や実家から東京へ行くとき、一筆書きの切符を作成してこの列車に乗ることが年に2回ほどあります。でも、週末でも平日でも多客期でもいつ乗ってもガラガラなんですね。これなら「北陸」に座席車を3両ほど繋げれば代用できるじゃんと思うのですがどうなんだろう。自由席に座りきれずに定員オーバーで走る日もあるんだろうか。この夏もコミケ前に乗ろうと思っていたら、中越沖地震で運休しちゃいました。はたしていつ頃復活するんだろうか……と思ったりもするのですが、それはまた別の話。