南海が堺市に阪堺線と新線との相互乗り入れを提案

 なにか最近の「朝日新聞」の大阪本社版は鉄道マニアの琴線に触れる記事が多いなあ。青灯クラブの担当者が新しく変わった影響なのでしょうか。

チンチン電車の危機、LRTが救う 相互乗り入れで存続
asahi.comトップ > 関西 > 2006年12月13日

廃止を検討してきた阪堺の親会社である南海電気鉄道が、次世代型路面電車(LRT)を走らせる新線計画を持つ堺市に、阪堺線と新線との相互乗り入れを提案。10年度の開業を目指す同市も受け入れる方向で検討に入ったからだ。

 堺市は以前から堺〜大小路〜堺東でLRTの建設を企画していましたが、その路線に阪堺電気軌道阪堺線を乗り入れさせたい……と南海が堺市に提案したという内容です。堺市も検討に入ったということ。
 特に目新しい情報ではありません。「阪堺線堺市LRTの乗り入れ」に関しては、今まで関係者の間で「そうした希望がある」という趣旨のことが語られていました。ただ、誰も公的な場で発言してこなかった。この記事の最大の意義は、大手紙が「南海電気鉄道が(中略)堺市に(中略)阪堺線と新線との相互乗り入れを提案した」という記事を載せたことにあります(どーせならもっと話を膨らませて欲しかった)。

 趣味的に気になるのは以下の3点です。

  • 堺市LRT計画へ「唯一、運営への参入を希望した」のが南海だけということ。
  • 当事者の堺市当局者のコメントが何もないので、「提案」が現実性のある企画なのか何なのか。さっぱり分からない。
  • 堺市にはトランスロール (ゴムタイヤLRV) の試験線がある。阪堺線と乗り入れするのなら導入は無理では?

 そもそも堺市LRT計画の妥当性はどうなのか。昨年末、毎日新聞堺市の共催で行われたシンポジウムを聴講した限り、さっぱり趣旨が分かりませんでした。堺市財政って、他の自治体がバブルに踊った80〜90年代ですら悲惨な状況だったんですよね。今ではマシになっているのか。そこらも語りたかったのですが、それはまた別の話。