「週刊こどもニュース」を見て、ローカル線問題について考えた。

katamachi2007-02-05


 毎週土曜日夕方に放送されているNHKの「週刊こどもニュース」。一昨日2月3日にこれを見ていたら驚きました。「ナットク定食」というニュース解説のテーマが「がんばれ!ローカル鉄道」となっていたんですね。当時の放送分の概要は、NHKのHP(http://www.nhk.or.jp/kdns/_nattoku/07/0203.html)に掲載されています。
 小学生向けのニュース番組であるのは確かなんですけど、その報道姿勢はマジメなんですね。情緒にとらわれず丁寧でかつ分かりやすく、われわれマニアの視聴にも耐えうる出来になっていました。

 さて、本筋はローカル鉄道再生の動きです。近年、ローカル線の廃止が進んでいる。その理由は過疎化による利用者減、そして鉄道事業法の法改正で鉄道線の廃止が容易になったこと。さらに、廃止になって移動の足を奪われてしまうと、老人や学生など交通弱者の移動が妨げられること。そんなことが事細かに解説されていました。昨春消えた北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線のその後も紹介されていました。地元でアンケートをとったという、
>203人中63人の人が「外出の機会が減った」と答えている
とのデータも驚きでした。母集団は少ないですが、鉄道を廃止してバスに転換したデメリットを具体的に示した数字だと思います。
 そして、各地で行われているローカル線を再生する運動も紹介されていました。もちろん大きく扱われているのは、あの銚子電気鉄道です。例の「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」で有名になった濡れ煎餅のHP広告。それをサポートしようとしているボランティアたちの動き。朽ち果てた枕木や施設の点検。地元関係者を中心とした銚子電鉄サポーターズクラブの設立……そんな銚子電鉄の2ヶ月の動きが分かりやすく説明されてました。レギュラー出演している中学生も実際に銚子まで取材へ行き、濡れ煎餅を作っている現場を訪ねていました。
 衝撃だったのは、

今から3年前には、前の社長がズルをして会社のお金を使い込むという事件があった。この事件で銚子電鉄は銀行の信用をすっかり失い、お金を借りられなくなってしまったんだ。
(上記hpより、番組中の解説もほぼこの通りでした)

というところ。今回の濡れ煎餅騒動の原因も紙芝居風に説明されていました。前社長っぽいキャラが悪徳商人風に描かれていたのには苦笑いさせられましたがそれもご愛敬。
 実際、小学生でもそうしたオトナ社会の裏事情は理解できるし、知りたいとも思うでしょう。そんな彼らの知的好奇心に応えようとしているスタッフの真摯な姿勢には好感を覚えました。