浜小清水駅でDMVが脱線か……
21日午後0時20分ごろ、北海道小清水町浜小清水の釧網線浜小清水駅付近で、道路と線路を同じ車両で走行できる「デュアルモード・ビークル(DMV)」が脱線した。乗客乗員15人にけがはなかった。DMVは、JR北海道がマイクロバスをベースに開発した新型車両。4月から試験的に営業運行しており、脱線は初めて。同社によると、道路から線路に入り「列車」として同駅を出発、約10メートル走行した左カーブで前輪が右側に15センチほどずれ、脱線したという。
試験営業のDMV脱線=道路と線路走行の新型車、時事通信、2007年10月21日
JR北海道によると、事故が起きたのは14日の午後11時50分ごろ。北海道月形町内のJR
学園都市線・石狩月形−豊ケ岡駅間で、鉄道車両モードで線路を走行していたDMVが踏切内に積もった雪に乗り上げて脱線。ブレーキがほとんど効かないまま軌道外に逸脱した。当時はDMVの2両連結による走行試験を実施しており、車内には約10人の技術スタッフが乗車していたが、事故によるケガ人は無かった。
(中略)JRでは「踏切内に積もった雪にタイヤが乗り上げ、これが原因でスリップして路外に逸脱した」と推測している。DMVは一般の鉄道車両よりも重量が軽く、積もった雪を排除しながら走る能力に欠けていることも原因のようだ。
ローカル輸送の次世代車DMV、雪に足元をすくわれる2005年11月17日
ああ、やってしまったか。「左カーブで前輪が右側に15センチほどずれ」というのは、上の写真のところ、すなわちポイントで本線へ入っていく手前のところですね。
車体重量が軽すぎる……という欠点は以前から指摘されていました。2005年11月にも、実験用に試運転をしていた札沼線石狩月形−豊ケ岡駅間で脱線しています。ただ、
- 前回は後部鉄輪、今回は前部鉄輪が脱線している
- 前回の脱線原因はあくまでも雪に乗り上げたこと。しかも2両のDMVで連結運転していた
という相違点があります。脱線したという事実関係以外は伝えられていないので分かりませんが、きちんと原因が説明されない限り、11月11日まで実施されることになっていた試験的営業運行、11月13日から南阿蘇鉄道で実施されることになっていた乗客なしの夜間走行試験は難しくなるのかもしれません。