泉北高速・おおさか東線の関連会社の持ち株売却の方針が固まる。

katamachi2008-04-09

 以前、「橋下徹大阪府知事、大阪高速鉄道と大阪外環状鉄道の廃止・売却を検討する - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」でネタにしていたことが現実になりそうです。

 大阪府橋下徹知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)が、府が出資する鉄道関係の第3セクター大阪府都市開発」(和泉市)と「大阪外環状鉄道」(大阪市北区)について、府の持ち株を売却する方針を改革案に盛り込んでいることが8日、分かった。
 売却には他の株主との調整が必要。大阪外環状鉄道は2007年3月期に約6800万円の純損失を計上したが、黒字の大阪府都市開発を手放すことには府議会などからも異論が出ている。(07:00)
大阪府の改革案、鉄道関係3セク2社を手放す日本経済新聞

 第三セクター系鉄道会社の株は売りやすいので、さっそく売却の対象としてきましたか。
 「大阪府都市開発」は泉北高速鉄道を運営していて、「大阪外環状鉄道」はJRおおさか東線の線路を敷設した会社のこと。前者は南海、後者はJR西日本あたりに売却するつもりなのか。あるいは、銀行あたりに引き取ってもらうのか。ここらの値付けを金融機関がどのように判別するのか。そこらも注目です。
 あと、大阪府議会、特に、おおさか東線の未開業区間である新大阪〜淡路〜放出間を抱える関係者は猛烈に反対するでしょう。近い将来の開業の可能性をどう担保するのか。そこらをどのように調整するのかも注目点です。
 都市型第三セクター系鉄道、特に80年代後半以降に完成した路線はどこも予想した利用者の半分とか三分の二ぐらいしか利用者が集まらず、経営が苦しくて黒字転換がままならないところ、自治体からカネを注ぎ込んだところ……などなど困難な情勢下にあるところが多い。もしかしたら、他鉄道も含めて、この大阪府の動きが都市型鉄道激変の始まりとなるのかもしれない。
 でも、気になるのは、大阪高速鉄道の方。今回の日経の記事では触れられていませんが、ちょっと手を出しにくいということですよね。「阪急阪神HD特別損失690億円計上 彩都事業縮小受け」にあるように、都市再生機構ニュータウン「彩都」(大阪府茨木、箕面両市)の事業計画の一部を断念した影響は阪急にも直撃している。大阪高速鉄道にしても、昨年開業した彩都西駅までの彩都線開業区間への影響は免れない。モノレールの敷設許可を得たまま放置されてきたて彩都西〜東センター間もこれで事実上、計画中止でしょう。朝日本紙の記事にはもう少し細かいところまで触れられていた。

 90年代末には開発失敗がほぼ見えていた大阪府系の大規模開発構想「彩都」。その時限爆弾がそろそろ破裂しそうとは5、6年前から言われていたことだけど、それがこの春に来てしまいました。これだと大阪高速鉄道の後始末はできないのかな。府庁は大変だろうな……と元大阪府民である僕も思ったりもするのですが、それはまた別の話。