紅葉の時期に石北本線でDD51牽引の貨物列車を追っかけてみる(後編)
前回「紅葉の時期に石北本線でDD51牽引の貨物列車を追っかけてみる(前編) - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」の続き。
丸瀬布森林鉄道で活躍し、今なお公園内で動態保存している雨宮21号を2時間ほど追いかけた後、丸瀬布市街へ戻りました。
まずは1発目。
丸瀬布駅から3kmほど東の地点で待ち受けます。今朝、9:48に8073レを撮ったのと同じ場所です。
獲物は「オホーツク3号」。
- 12:59
キハ183-500を先頭にやってきました。でも、光の加減は微妙。
と、後追いで撮ったらイイ感じになりますね。
カーナビで撮影地として良さ気なところを懸命に探してみるけど
午後に入ると、当然ながら太陽は西側から東側へと照らしてくれる。石北本線の下り列車は東側の遠軽に向けて走っている。だから、逆光になってしまう。自宅でダイヤを見ていたときから何となく想像できたんだけど、マズいなあ。
こういうとき、雑誌などで撮影地の情報をたくさん持っているマニアなら、午後の太陽でも何とかなる場所を知っているんだろうけど、僕はどこに行けばいいのか分からない。20分くらいしたら、続行して下り貨物8075レがやってくる(はずな)のに。
4年前のダイヤグラムと直近の時刻表のコピーを見比べると、次の貨物列車のダイヤは昔と変わらないことが想像できる。たぶん瀬戸瀬駅で上り普通と交換するのも当時のままなんだろう。
どこで待ち受ければいいのか分からないんで、レンタカーのカーナビを操作。こんな外道なことをしてもいいのかと思うのだけど、地形図や道路地図より、土地勘を掴むために便利なんですよね。
丸瀬布駅の西側で線路をオーバークロスする跨線橋を発見。そこを目指します。市街地に近いんだけど、隣りに神社があって、駐車スペースがあるのが有り難い。
いつ来るのか……と、待っていると、計算通りの時間に遠くから踏切の音が。
- 13:21
8075レがやってきた。
斜面は紅葉が色づいていて良さ気だったんだけど、山影と逆光でイマイチだなあ。むしろ、後追いで丸瀬布駅構内に入るところを撮った
の方が良かった。こっちは順光になるんだよなあ。
この後、また国道を走って追跡します。
瀬戸瀬駅の手前で、貨物列車は減速し、ゆっくりとホームに横付けします。あの狭い無人駅に10分ほど停車。
その間、カーナビで見つけた跨線橋へ先回りします。瀬戸瀬駅から1kmほど東側。
ここから撮ると、下り列車は逆光になったり、林に邪魔されたりするのであまり不適切なんだけど、上り遠軽方向に向くと、これまた順光なんだよね。順光で下り先頭機関車を捉えられるポイントはないし、ここで妥協するしかないか。
13:39に上り普通が通過。いい感じで順光でした。
これが瀬戸瀬駅に到着し、代わりに、13:42、下り貨物8075レが動き出します。ホイッスルとDD51のエンジンが聞こえると、少し遅れてコンテナ貨車の連結器が軋む音がします。
そこからの加速が遅いのがDD51。なかなか来ないなあと待っていると、2分ほどして姿を現しました。一応、撮ってみるけボツ写真です。
そして、
- 13:45
後追い写真。先頭の機関車と貨車の間ぐらいにケーブル線が入ってしまうのが辛いところですが、まあそこらは仕方ないと言うことで。
2年ぶりの生野駅訪問で光線に悩む。
さて、次はどうするのか。
昔のダイヤが正しいとすると、今通過した下り貨物8075レは、遠軽で1時間ほど小休止した後、北見へ再出発。途中、安国駅で上り貨物8072レと交換することになります。
次は生田原駅か留辺蘂駅か。どこで狙おうか……と迷ってもイイところが記憶になく。
ならば、最近、行ったところ……というので生野駅にいきます。2年前の秋に、降りつぶし目的で来ているんですね。「北海道で鉄系の旅をしながら歩いた(その2) DMVをついに試乗したゾ - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」。一日で下り3本、上り1本しか停車しない、元仮乗降場だった無人駅。ここって、撮影地だって、RMのHPか何かに書いてあったような記憶が。
また国道を生田原方向に向かい、その手前で国道から生野駅へと通じる細い道を向かいます。バス停の雰囲気とかはまだ覚えています。
生野駅の隣の踏切付近で待つことにします。周辺、農場が2つ3つあるだけで、広大な北海道らしい風景を撮れそう。僕が到着してきょろきょろしていると、クルマでやってきた4人組が近づいてきます。ここも撮影地としては有名どころなんだろうか。
しばらく上り列車が続きます。
まず14:41に上り普通がやってきます。キハ40のクセに早いなあ。
生野駅は見事に通過。まあ、ね。農場の人ら以外は乗り降りしないようなスポットだし。
続いて20分後に上り「オホーツク6号」が追っかけてきます。
- 15:04
これまた生野駅を通過。
側面の光の当たり方はいいんだけど、前面が、なあ。まあ、いいか。
もう少し線路に近いところへ位置取りを変える。
その17分後、ようやくディーゼル音と踏切のカンコンカンコンが聞こえてきました。上り貨物8072レの到来です。
- 15:21
さっきよりは悪くないと思っていたのだけど、今度は直前に太陽の光が雲の影で遮られました。
こういうとき、露出とかなんとかみんな工夫をされるんだろうけど、一発勝負に自信がない僕にはとてもとても。ていうか、1週間前に買ったところでまだ慣れていないんです。
あと10分ほどで、下り貨物8075レが来ます。
同じ所にいるのもなんなんで、生野駅から500mほど離れた東側の踏切付近に移動。
で、予想通り、安国駅で上り貨物と交換した下り貨物8075レがやってきたのですが、
- 15:33
うわあ、思っていたより構図内のバランスが悪いなあ。もっと踏切に寄って撮ればよかった。
あわてて横っ腹を狙います。
光は悪くはないんだけど、望遠レンズをはめたままなんで、もう工夫のしようがない。
場当たり的に撮影していたツケが最後に来ました。生野駅、いい場所だと思っていたんだけど、横着したためパッとした写真が撮れなかった……。待機中、ずーっとクルマの中でゴロゴロしていたのがマズかった。
当初の予定では、これで退散して、今晩の宿へ向かおうと思っていたんだけど、ちょっと諦めきれない。また追跡に入ります。
峠の向こうの金華駅へ向かいます。石北本線は常紋峠越えのためかなり迂回しているけど、国道の方は60km/hでも比較的走りやすい。
金華駅の東側、また踏切付近で待ち受けます。S字カーブ。でも、光が当たらず暗い。しかも、線路の周囲で工事をやっている。けど、他の場所を探す時間的余裕はない。
- 16:04
この貨物、2つ先の留辺蘂駅でまた上りとの列車交換で何分か停車するはず。
諦めきれず、留辺蘂駅の先へと向かいます。
カーナビで確認すると、留辺蘂駅と相内駅(あいのない)の真ん中ぐらいで国道が石北本線と立体交差している。その跨線橋でラストとするか。
現場に行くと、カメラを構えた人たちが6人ぐらい待っていました。ここも有名どころなんですかね。
16:16、上り普通が通過。太陽が山に沈む前の光線がいい感じ。後追いで留辺蘂方向に撮ってもOKでした。
あと、5分くらいで下り貨物8075レが来ます。丸瀬布、瀬戸瀬、生野、金華に続いて、本日、5回目の遭遇。
ただ、直前に太陽が雲の影に隠れてしまいました。
- 16:23
午後の光って難しいんだなあ、と改めて実感しました。
それと、鉄道撮影というのは綿密な事前リサーチ、現場での試行錯誤が必要。でも、もっとイイ写真を撮りたいという意欲がその根底にないとダメなんだなあ。とりあえずDD51を撮れればいいやレベルの自分にはなかなかできないことです。同じことを一日中続けるという気合いも僕には薄い。魚釣りとかそういうのには一番不向きなタイプです。やっぱり自分の根っこは、列車に乗って移動することなんだよなあ。
とかなんとか、自分の性格や方向性みたいなものも再確認したような石北本線DD51貨物列車追跡の旅でした。
撮影でお邪魔した記念に、遠軽駅&北見駅&斜里駅へ立ち寄り、計33枚のオレンジカードを買ってきました。少しでも鉄道会社のお役に立てるように。ていうか、本州ではほぼオレカが絶滅してしまったんで、新しいヤツを買える機会をずーっと待っていたんですよ。
この日の宿は、知床半島東側の港町、羅臼。
留辺蘂からの道のり200km近く。当初、知床峠越えていくつもりだったんだけど、宿に聞くと、昨晩は凍結していたらしいし、シカが夕刻以降に頻発に出てきて事故も多発しているみたい。実際、昨晩、瀬戸瀬市街から瀬戸瀬温泉へ行く道道8kmの道のりで、都合、エゾシカと5回、キタキツネと3回遭遇し、温泉近くのカーブで死角から現れたシカとはマジで正面衝突しそうになったんですよ。乗っているのはレンタカーだし、トラブルは避けたい。なんで、斜里から根北峠、標津を経由して羅臼に着いたのは20時前。さすがにヘトヘトになってしまったんだけど、それはまた別の話。