「ジャーナル」の西武新宿線&地下鉄の話

katamachi2006-11-22


 昨日も鉄道趣味誌の発売日でした。

 今月号の「鉄道ジャーナル」で興味深かったのは、西武鉄道もと常務の長谷部和夫氏の回顧。西武新宿線営団地下鉄(東京メトロ)に乗り入れようとしてかなわなかったその経緯を書いてあるんです。これが鉄道史好きには興味深い。

鉄道ジャーナル 2007年 01月号 [雑誌]

鉄道ジャーナル 2007年 01月号 [雑誌]

 ご存知のように、大手14社の中で唯一社史を出していないのが西武鉄道です。戦時中から戦後にかけて堤家が西武鉄道を支配していった過程には不透明な部分も多く、趣味的にはかなり興味あるのですが、だからこそ自らの歴史をまとめるような本を出したくなかったのでしょうか。かつて運輸省の地下倉庫にあった鉄道省文書を見ていても断片的なことしか書いておらず、分かりづらい部分もあった。

 佐藤信之の解説の前段階から説明していきましょう。

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「鉄道ピクトリアル」誌のリニューアルと"独自の路線"

 突然変わっていたのが、「トピック・フォト」のページ。一般読者には予告もなかったのに、増ページ、カラー化がなされている。なのに、白黒写真がいくつか混じっているのはご愛敬です。

鉄道ピクトリアル 2017年 01 月号 [雑誌]

鉄道ピクトリアル 2017年 01 月号 [雑誌]

 以前も書きましたが、ネットの普及以前、鉄道関係の情報というのは鉄道趣味誌から集めるのが常であり(http://d.hatena.ne.jp/katamachi/20060926)、それは現在でもあまり変わっていない。それゆえに新規のトピックスというのは貴重な存在だったのですが、「鉄道ピクトリアル」誌はあまり積極的ではなかった。投稿者は毎号同じ名前のベテランばかりで、ご新規さんの開拓には熱心でなかった。それを軌道修正していくのでしょうか。全体的にカラーページの発色が眠い感じになっているのがちょっとなんなんですが。
 鉄道マニアに衝撃を与えた1990年2月号の「特集 貨車」以来、「ピクトリアル」は孤高の路線を歩んでおり、その潔さには感服しています。なんだか選挙の時、新聞の票読みで泡沫候補にたいして使われる「独自の戦い」って慣用句を思い起こさせてくれます。微妙に売れなさそうな特集ながらも、いやに鉄道マニアの琴線をくすぐってくれるのです。鉄道マニア第1世代の「ピクトリアル」編集委員たちの実績には今でも敬服していますが、それを現実路線に組み替えていったのは編集長の今津直久氏の功績なんでしょう。

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九州新幹線は新大阪止めか……

新大阪−鹿児島は新幹線で4時間 JR3社が直通合意

 東海、西日本、九州のJR3社は、九州新幹線鹿児島ルート(博多−鹿児島中央)が平成22年度末に全線開業するのに合わせ、新大阪駅大阪市)と鹿児島中央駅鹿児島市)を乗り換えなしで結ぶ直通列車を運行する方向で合意した。
 国土交通省によると、新大阪−鹿児島中央の所要時間は現在、特急を乗り継いで約5時間から5時間半だが、直通の新幹線なら約4時間になる見通し。

 現在より1時間の短縮か……基本性能がアップしないなら博多〜新八代間での速達効果しかないわけで、このあたりは仕方ない。大阪から熊本・八代あたりまでなら飛行機路線とも勝負になるとは思うけど、鹿児島線とはどうだろう。
 この記事のポイントは、後段にあります。

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