鉄道本書評
本日3月30日、JTBパブリッシングから新刊「新・鉄道廃線跡を歩く」が発売されます。 廃線ブーム、そして廃墟ブームの火付け役となった同社の旧シリーズ第1巻が刊行されたのは1995年だから15年前。それから10作品が発行されてきました。今回はそのリニュー…
客観的な視点に立ったすがすがしい紀行文。その原点ともいえる旅のメモ(取材ノート)や、取材時の記録写真、旅先からの書簡等を通じ、宮脇俊三の旅の世界へと皆様をいざないます。 「宮脇俊三と鉄道紀行展」世田谷文学館 宮脇俊三が亡くなって今年で5年にな…
発売直後、大阪梅田のブックファースト(阪急系)で買い求めた有川浩の「阪急電車」。 うーん、この人、ラノベの人だよなあ(『図書館戦争』は未読)。書名だけで鉄オタが買っても仕方ないんだよなあ……と勝手に思いこみ、ずーっと積ん読にしていました。 今朝、…
他人と体を押し付け合い、へとへとになりながら通勤電車に揺られる毎日にうんざりしながらも、いつしか諦めてしまっている人は少なくないだろう。しかし、著者の提案する3つのイノベーションを実現すれば、満員電車はなくなり、日本のサラリーマンは本当に豊…
正月の名鉄モノレール行きの際、JR名古屋駅構内の本屋で買ったのが進士友貞「国鉄最後のダイヤ改正 -JRスタートのドキュメント-」。これが面白かった。読書中は発見と驚きの連続だった。国鉄最後のダイヤ改正―JRスタートへのドキュメント作者: 進士友貞…
がんばれ! 銚子電鉄作者: 向後功作出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2008/01/31メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 164回この商品を含むブログ (23件) を見る 電車運行維持のためにぬれ煎餅を買ってください!!電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです…
本書は、JTBパブリッシングの鉄道シリーズの最新刊。かつて日本国有鉄道が内部で計画、検討していながらも、諸事情により実現しなかった「幻の鉄道車両」についてまとめた本である。 そうした"鉄道車両"のほとんどはイラストや会議資料の上では存在していて…
DMVの開発の過程とそこに隠された秘話が紹介された朝日新書の一冊。かつて朝日新聞北海道報道部でJR北海道の担当をし、実際にDMVが完成していく過程を取材していた現役新聞記者による執筆である。 正直、「プロジェクトX」の亜流のようなキャプションや帯に…
先日、旭屋書店本店で「西大寺鉄道 (RM LIBRARY89)」(ネコ・パブリッシング)を買いました。RM LIBRARYの第89号。発売されたのは今年の1月ですが、うちの書棚を確認したら買い漏らしていたのに気づいたんです。 このシリーズ、「B5・56ページ白黒、本体価格10…
この5月、駅の訪問をテーマとする本が3冊刊行された。貨車など鉄道車両保存運動で名をはせた笹田昌宏 「ダルマ駅へ行こう! (小学館文庫)」に、 鉄道ジャーナル誌OBのきしゃ旅ライター松尾定行「ローカル線各駅下車の旅 (ちくま文庫)」(ちくま文庫)、そして高…
鉄子の旅全6集完結セット (IKKI COMIX)作者: 菊池直恵,横見浩彦出版社/メーカー: 小学館発売日: 2007/03メディア: 単行本 クリック: 16回この商品を含むブログ (29件) を見る 一昨日の【5】「鉄子の旅 6」(前編)、そして鉄道マニアが求める"世界観"。そして…
鉄子の旅 6 (IKKI COMIX)作者: 菊池直恵,横見浩彦出版社/メーカー: 小学館発売日: 2007/02/28メディア: コミック購入: 1人 クリック: 23回この商品を含むブログ (99件) を見る 月頭に刊行された「鉄子の旅」について語ってみます。今日は前編。 キーワードは…
京阪特急―鳩マークの電車が結んだ京都・大阪間の50年 (JTBキャンブックス)作者: 沖中忠順出版社/メーカー: ジェイティビィパブリッシング発売日: 2007/02/28メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 41回この商品を含むブログ (5件) を見る 文字通り、京阪電気…
鉄道ジャーナル 2007年 04月号 [雑誌]出版社/メーカー: 鉄道ジャーナル社発売日: 2007/02/21メディア: 雑誌 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 雑誌「鉄道ジャーナル」の前編集長が一線を退き、宮原正和が後任に就いて、今度の2007年4月号で…
図説・鉄道車両はこうして生まれる作者: 星晃,宮田道一,鹿島雅美,川辺謙一,林基一,原口隆行出版社/メーカー: 学研プラス発売日: 2007/01メディア: ムック購入: 2人 クリック: 49回この商品を含むブログ (7件) を見る 先日、4割引近くの大特価セールをやって…
満鉄全史 「国策会社」の全貌 (講談社選書メチエ)作者: 加藤聖文出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/11/11メディア: 単行本 クリック: 17回この商品を含むブログ (17件) を見る ここ数年、再び「満州」をテーマとした本の出版が相次いでいる。ベストセラー…
手塚治虫=ストーリーマンガの起源 (講談社選書メチエ)作者: 竹内一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/02/11メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 18回この商品を含むブログ (33件) を見る「民都」大阪対「帝都」東京 (講談社選書メチエ)作者: 原…
仰天列車 鉄道珍車・奇車列伝作者: 藤崎一輝出版社/メーカー: 秀和システム発売日: 2006/12/18メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 64回この商品を含むブログ (12件) を見る まずは、『仰天列車 鉄道珍車・奇車列伝』。発行元の秀和システムってどこか聞い…
2000年ぐらいを境にして、鉄道本発刊ブームというのが続いている。鉄道書を専門に取り扱う本屋へ行くと、月に十冊以上の新刊が平積みされている。その手の書籍が激減していた90年代前半と比べるとウソのような状況である。その背景には、 鉄道本は1万部を超…
ブログの世界にはラノベやマンガのネット書評家は多いですが、意外と鉄道本について言及しているところは少ない。そんなわけで、今年の目標は「鉄道本についてのコメントを35回書きます」ということにします。 さっそく、正月に読んだ「父・宮脇俊三への旅」…
今日も「鉄道に魅せられた旅人 宮脇俊三」についての感想です。前回は、ここ→2006-12-25 「鉄道に魅せられた旅人 宮脇俊三」(別冊太陽編集部)を生暖かく読みました。 宮脇俊三の本を好きな人間なら、JTB『旅』「特集 宮脇俊三の世界」2000年9月号、あるいは…
エッセイというのは、作者の体験を趣くままに書き連ねることが主題となってくる。となると、作品の評価は「ネタの多彩さ」と「情報量の豊かさ」、そして「文章技術の妙」といった側面に左右されることになる。かといって、文芸批評や映画評論のように現象学…
2006-12-13 宮脇俊三を語りたい。その1 2006-12-14 宮脇俊三を語りたい。その2 最後の「文章技術の妙」……これを書く力量も資格も私にはない。 そこで安直だが、宮脇が記した文章論を紹介してみよう。引用元は阿川弘之『南蛮阿房第2列車』(新潮文庫版)に所…
2006-12-13宮脇俊三を語りたい。その1 まず、「ネタの多彩さ」。彼の著作一覧を見れば、一目瞭然である。 ほとんどの作品が鉄道紀行を対象としていることから、宮脇本ってどれを読んでも同じじゃないの……と誤解を持っている人が少なくない。でも、各単行本…
今月、宮脇俊三に絡む本が2冊出るというので、彼と作品についての私見を述べてみたい。 宮脇俊三の文章って気持ちいい。通勤電車に揺られていても、ベッドに寝転がっていても、ひとたびページをめくると、鉄道と旅の楽しさに彩られた宮脇ワールドへと読者を…
おったまリクッチさんの「うんちくっち日記」というブログによると、宮脇俊三の娘の宮脇灯子さんが本を刊行されるようです。 知人が「父・宮脇俊三への旅」という本をグラフ社より出版します。18日発売(大手書店は16日から)です。定価1200円。紀行作家宮脇…
突然変わっていたのが、「トピック・フォト」のページ。一般読者には予告もなかったのに、増ページ、カラー化がなされている。なのに、白黒写真がいくつか混じっているのはご愛敬です。鉄道ピクトリアル 2017年 01 月号 [雑誌]出版社/メーカー: 電気車研究会…
昨日も鉄道趣味誌の発売日でした。 今月号の「鉄道ジャーナル」で興味深かったのは、西武鉄道もと常務の長谷部和夫氏の回顧。西武新宿線が営団地下鉄(東京メトロ)に乗り入れようとしてかなわなかったその経緯を書いてあるんです。これが鉄道史好きには興味深…
うっかり忘れていましたが、ここで日記を書き始めて1ヶ月が過ぎていました。こーゆー時は自分で祝いのコメントでもしなきゃいけないのかな。 初回を読むと、「鉄道ジャーナル」と種村直樹の話でした。仕方ない。今日も朝イチで今月号の連載「房総の鉄道ぐる…
鉄道ジャーナル 2006年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 鉄道ジャーナル社発売日: 2006/09/21メディア: 雑誌 クリック: 20回この商品を含むブログ (4件) を見る 今月も鉄道趣味誌を買ってきました。 ここ20年ほどは「鉄道ピクトリアル」と「鉄道ジャーナル」…