奥祖谷観光周遊モノレールに行ってきました。

 今は高松の瓦町駅の近くにある東横インのパソコン前にいます。
 昨日、今日と阿波池田でレンタカーを借りて、旧東祖谷山村、現在の三好市にある「奥祖谷観光周遊モノレール」(「三嶺モノレール」とか「奥祖谷観光モノレール」という名もありましたがこれが正式名のようです)に行ってきました。細かい報告は、奥祖谷観光周遊モノレール。その65分の苦闘の時。三好市(旧西祖谷山村・東祖谷山村・池田町)にある鉄道モドキの「遊覧鉄道」めぐりで。
 すぐ隣にある第3セクター経営の「いやしの温泉郷」に泊まり、営業が始まる朝8:25に窓口へ。幸いにも雨降りからは免れたものの、山間奥深く入ったところで、この時間だとまだ底冷えしていました。コートを着てもまだ震えはとまらない。どーせなら一番乗りをしたいと思っていたのだが、平日だしまだ誰もいない。
 「お客さん、もしかしたら今日最後のお客さんかもしれませんよ。」と係員の人にからかわれながら、8:30にスタート。宿の露天風呂を微妙に眺めつつ、林道を乗り越えて、じょじょに山間に入っていきます。ちょうど付近の民間林の木の伐採をしているようです。そして......
 とりあえず、林を抜けて急勾配に差し掛かる最初の10分間は楽しかったです。でも、スタート地点から山中を一周して元の場所に戻ってくるのには65分もかかる。晴れ間が見えず、気温は上がらず、防風・防寒設備がないモノレールの中で耐えているのはなかなかツラかったです。

 まだ、旅先なんで現地で聞いた情報をいくつかピックアップ。

モノレールの概要

  • 場所 徳島県三好市東祖谷菅生。阿波池田駅からクルマで100分。いやしの温泉郷のそば
  • 総延長4600m(資料によっては5km)。起点の標高790m地点から標高1050m地点までは1.5kmほどの上下別の複線(20分経過)。そこから単線で2km(?)ほど円を描くように林の中を抜け、尾根を伝っていく。46分目に複線区間と合流し、駅まで下っていく。最高地点は標高1380m。
  • モノレール車 10台(モノレール工業製)。カブトムシを模したデザイン。他に、点検用のモノレール車が2台(みかんモノレール風)。線路脇の電線から集電している.最大傾斜40度。勾配にあわせてシートが上下に傾いていく。
  • 経営主体は三好市(温泉とは別団体。第3セクターではないそうです) 職員は非公務員の3人 
  • 料金は大人1500円、小人750円
  • 建設費は3億円 そのうちモノレールは一台あたり350万円。過疎債(元利金の70%が地方交付税で賄われる)を使って建設している。2006年3月に市町村合併三好市が誕生しているので、それにあわせての駆け込み事業だった。
  • 計画のモデルとなったのは、同じ三好市内(旧西祖谷山村)にある「祖谷ふれあい公園」の「てんとうむしモノライダー」。モノレール工業製のモノレールが全長430mの道のりを走っている。2004年7月オープン。これとほぼ同じ設備を東祖谷でも使っている。
  • 非常時の連絡手段は携帯電話のみ。DOCOMOだと、とりあえず1〜2本はアンテナが立っていた。事務所では途中に8ヶ所あるテレビカメラで監視している。
  • 営業は8:30〜16:30(受付最終は15:30)。ただ、6〜9月は17:00まで(受付最終は16:00)。休業日は主に水曜日(いやしの温泉郷に準ずる)
  • 温泉郷駅」として紹介される場合もあるが、建物には特に看板はつけられていない。

オープンして3ヶ月のあれこれ

  • この秋、一日あたり最大160人を輸送
  • 一時間あたり最大10台(20人)が輸送力の限界 ※電圧の関係 将来的には最大12台/hまで運用する事は可能らしい
  • 8/29のオープン以来、休んだのは3日のみ(理由…雷警報の発令、倒木がモノレール軌道に寄りかかったなど)
  • 取り扱っているグッズは、地元小学生が作った「モノレールすごろく」(300円)
  • 混雑時はやはり2〜3時間待ちという事もあったそうです。
  • 必需品として紹介されているのはカッパ。
  • モノレールの付近に広がる村有林では、地元の林業関係者が木を伐採している。朝、モノレールで彼らを現場まで運んでいく。
  • 途中には何の施設も無いが、複線区間の終わる1050m地点付近に小屋が一軒あり。当初、ここまでの往復運転をする予定だったが、自然保護そのほかの絡みでさらに尾根沿いまで延長する事になった。以前の計画の名残。
  • かつて中腹に計画されていた自然公園建設のために資材運搬用のモノレールがあった(900m)。間伐作業に使っている簡易モノレールだった。当初はこれを延長する予定だった
  • 山の中腹と温泉郷を結ぶロープウェイが観光客誘致の候補になったが、観光客増による環境破壊を一部団体が懸念。そこで、簡易モノレールを導入する事になり、騒音や排ガスを伴うエンジン式でなく、電動式の車両を使う、コース付近の植生が荒らされるのを防ぐために起点の駅以外では乗客を降ろさない......などの条件をつけられて2005年度に着工された。
  • 運行は12月中旬までとなっているが、雪が30cm積もるぐらい(レールに影響するまで)まではやりたい
  • 隣にある第3セクターの宿泊施設はとりあえず来春以降も存続する事になりそう。モノレールの再開も3〜4月頃か。

 この他にも、旧東祖谷山村の「ホテル祖谷温泉」(現在は三代目)と「ホテルかずら橋」(2000年オープン)にあるに温泉ケーブルカー二ヶ所に乗ったり、先にも述べた「祖谷ふれあい公園」の「てんとうむしモノライダー」で気恥ずかしい目にあったり……と鉄道不毛の地でなかなかカルトな体験をしてきたのですが、それはまた別の話。

追記
当日の報告です。

2006-12-06■三好市(旧西祖谷山村東祖谷山村・池田町)にある鉄道モドキの「遊覧鉄道」めぐり
http://d.hatena.ne.jp/katamachi/20061206
2006-12-04 ■奥祖谷観光周遊モノレール。その65分の苦闘の時。
http://d.hatena.ne.jp/katamachi/20061204
2006-11-24 ■奥祖谷観光周遊モノレールに行ってきました。
http://d.hatena.ne.jp/katamachi/20061124
2006-11-20 ■なぜか突然、奥祖谷観光周遊モノレール行きに変更。
http://d.hatena.ne.jp/katamachi/20061120