特急「日本海2号」プルマン型開放式A寝台の乗客たち。

katamachi2007-05-03

 GW前半の東北旅行からの帰り、秋田から大阪まで特急「日本海2号」に乗ってきました。車番は1973年製のオロネ24-2。大阪・東京発の九州ブルトレに使われた後、東北夜行に使われ、さらにJR東日本持ちの「日本海」へと転属してきたタイプです。
 かつて、1978年頃のブルトレブームのとき、寝台列車に魅せられた子供たちの憧れの存在。オロネ25が登場したことで主役の座からは降りましたが、そけでも注目の的であったのは確かです。
 でも、23両あったオロネ14、オロネ24のうち、現役なのは「銀河」と「日本海」に使われる6両のみ。なんとなく昨年辺りから私の脳内電波が危険信号を伝え始めたのでわざわざ試乗してみたわけです。でも、近年、東北や北海道に行くときは飛行機ばかり使っていたんで、北行きのブルトレを使うのは7年ぶりのことになります。

鉄道マニア比率半分以上、しかも今どき喫煙室......

 さて、5/1発の「日本海」A寝台は下段がさらりと埋まる程度。たぶん乗客は15〜16人程度でしょうか。B寝台もガラガラ。ゴールデンウイークの合間だから仕方ないのかもしれない。
 しかも、車端部にある禁煙室に集まってきたのは......プルマン式狙いのマニアさんばかりでした。自分も含めてざっと7人ぐらいはそうでした。
 私は東北地方の超ローカル線降りつぶし、途中で合流した知人は東北地方の私鉄乗りつぶしの帰りでした。東京から来られた方、2人と話しましたが、それぞれ九州や四国へ優等列車体験乗車の途中で東北へやってきたとか……。てことは、観光や仕事でA寝台を使っている"本来の乗客"ってほとんどいなかつたわけです。
 A寝台開放式の下段の料金は1万円。B寝台のソロが6千円、A個室が1.3万円であるのと比べると割高感は否めません。一人当たりの占有面積は、Bソロの「あけぼの」よりも確実に狭いし、583系の下段よりベットの幅は狭いのに.....
「なんで、このレベルの寝台が21世紀にまで残っているのですかね」
「JR東も西も『日本海』にはあまりカネをかけたくないんでしょうね」
「やっぱりA寝台のプルマン式、近い将来、消えそうですよね」
「まあ、だからわざわざ乗りに来たんだけどね」
「この中途半端な寝台に1万円を投資する。この無駄遣いぶりがタマラないんですよ」
なんて話を他のマニアさんと語り合っていました。
 さて、あつみ温泉駅を過ぎた辺りで流れ解散となったのですが、私は、その後も一人で本を読んでいました。東浩紀ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)」。
 新潟県内に入って、そろそろ村上駅に着くのかな......と時刻表で確認していると、初老の男性とその娘さんらしき人がデッキに現れました。なぜかカバンとか持っている。えっ、まだ日付は変わっていないのに、ここで下車するの???
 こちらが驚いていると、種明かしをしてくれました。もともと村上在住の方のようで、弘前で花見見物をした帰りだということです。このように昼行特急の代用としてブルトレを使うケースはたびたびあると聞いたことはありますが、何もA寝台を使わなくてもいいのに。と、それとなく聞いてみると、「B寝台車って、狭いでしょう。私は、毎年、この車両を使っていますよ。」とのことでした。
 いやあ〜、マニアですらかなわないような"イキな"寝台車利用です。そうした需要があるからこそ、まだまだ残っていたのですかね。いつかはそんなカッコイイ使い方をしてみたいと思ったのですが、それはまた別の話。