銚子市の「銚子電鉄問題への市の対応について」という文書を読んでみる(銚子電鉄その2)

katamachi2008-02-03

 さて、

ただ、一つ物足りない点がある。一通り読み通しても、説明されていない事柄があまりにも多すぎるのだ。

と終わった前回の「【9】がんばれ!銚子電鉄 ローカル鉄道とまちづくり - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」の続き。
第3弾はヨソ者が勝手に銚子電鉄の再建策を考えてみたけど(銚子電鉄シリーズその3) - とれいん工房の汽車旅12ヵ月
 「がんばれ! 銚子電鉄」の中で、銚子電気鉄道鉄道部次長である著者は、"奇跡の復活"に関する当事者ならではのエピソードを紹介した上、最後の第5章で"コンパクトシティ"という概念を持ちだしている。そして

銚子電鉄を存続させるためには、銚子という町そのものの問題に取り組む必要があるのではないか(p.139)

とし、銚子の"まちづくり"の一環として銚子電鉄の存続問題を捉えていくべきではないかという考えを提案している。
 著者としては、銚子電鉄社員である自分たちの将来像を思い描く中で、"まちづくり"が大切だという結論に至ったのだろう。近年、都市計画の視点からLRTなど次世代型交通機関について言及する論考ではおなじみの考え方であり特に違和感はない。

がんばれ! 銚子電鉄

がんばれ! 銚子電鉄

 となると、ここに当然出てくる疑問。すなわち、

という2つの問いかけに対する答が必要となる。そこらの理屈をこしらえ、市民から市長まで納得せねば公金投入→銚子電鉄復活というシナリオは書けない。
 ところが、実際はどうだろう。当事者である銚子市役所、銚子市議会、そして銚子市民はどう考えているのだろうか。一生懸命支援組織を作って活動している人がいる一方、消極的、無関心の層が少なくないとも思える。銚子市の市域は広いし、銚子電鉄と無縁な銚子市民もたくさんいるだろう。
 さて、関係者が、銚子電鉄の存続運動を進める上で、どうしてもクリアーしておかねばならないハードルが一つある。銚子市が、2006年12月27日付に市長名で出した「銚子電鉄問題への市の対応について」という文書である。今回は、銚子市や市民と銚子電気鉄道との間にある方向性の違いについて指摘しながら、鉄道会社と"まちづくり"の関係について考えていきたい。

2006年夏まであまりにも危機感が薄かった市役所と市議会と市民

 前市長が銚子電鉄の欠損補助をやらないと発言してから4年、そして国交省の検査で危機的な状態に追い込まれてから1年以上経つが、銚子市役所の動きを見ている限り、会社支援へ積極的に動き出そうという気配はいまだに見られない。
 一つには、今回の経営危機の原因となった銚子電気鉄道前社長による不正経理問題はまだ解決していないからである。前社長が1億円を越えるお金を私的に流用してしまい、銚子電鉄がそれを弁済せねばならなくなった。それがいくらになるのかも不明。このおおもとの問題に道筋が付かない限り、存廃について議論を進めるのは難しい。補助金が債権者救済に転用される危険性が拭えないからだ。とはいえ、銚子電鉄側もまだ前社長側との交渉が未解決なので、使途不明金の額を公表することは難しいのかもしれない。
 もう一つには、著者である鉄道部次長が夢描くような"まちづくり"→"銚子電鉄の存続"というイメージ造りがまだ市民や市役所の中では共有し切れていないという点がある。銚子電鉄は観光客の利用するものであり、市民の交通機関としては終わってしまったと素直な感想を吐露する市民や市議すらも少なくない。
 そこで、今回の騒動の原因となった出来事について、銚子市議会議事録を参考に整理してみよう。

  • 1990年 銚子とは無縁の不動産屋、内野屋工務店銚子電鉄を買収→大規模開発に対する一抹の不安
  • 1995年 ぬれ煎餅の販売を開始
  • 1997年 同年度で国の欠損補助が打ち切り
  • 1998年 内野屋工務店の破産→資金借入に難渋し始める
  • 2002年4月 同年度で県の欠損補助が打ち切り。銚子市単独に。同年度の銚子電鉄の欠損損失額は1,600万円。
  • 2002年8月 銚子市長選。現職市長を破って野平匡邦(旧自治官僚)が初当選
  • 2003年12月 野平市長(当時)が、「本来の目的である公共交通機関としての寄与度は、実は非常に低いというふうに思っております。つまり銚子市民は、ほとんど乗らないと」と*1。近代化補助については10億円ぐらい最終的にかかるとした上で、欠損補助金に対しては銚子市としては今後出さない旨の発言をする。

 ※地元紙報道として、バス転換すれば"2億円の得"という試算があったらしい

  • 2004年1月 内山健治郎銚子電鉄社長(当時)が銚子電鉄名義の借入金を借金返済に回していたことが発覚し、銚子電鉄取締役会で社長解任と報道。
  • 2004年3月 銚子電鉄運行対策協議会が「銚子電鉄の今後のあり方について」と答申を発表。銚子市は、貸し付けを含め応分の支援をすべきとしたが、市長は黙殺
  • 2004年4月 市などの補助金を中止(近代化設備整備費補助。前年度は1112万円)。1969年度からの35年間で欠損補助と近代化補助は国・県・市あわせて16億円

 ※市議会議事録によると、補助金が打ち切られた2004年度でも単年度では黒字だった

  • 2005年1月 国土交通省幹部が銚子市役所に来訪。街金業者がぬれ煎餅の代金を差し押さえにきたことを指摘し、「銚子市が何らかの判断を示すべきではないか」と言及する。それは平成17年3月定例会で報告されている*2
  • 2005年7月 銚子市会議員の一部がJR北海道が開発しているデュアル・モード・ビークル(DMV)を視察→後に市会に提案(^^;)
  • 2005年9月 市産業部長が、銚子電鉄の安全運行維持のための費用として、車両更新費1.6億円(3年以内)+軌道道床硬質構造化工事で"総額約4億円"と回答
  • 2005年12月 市と会社は銚子電鉄再生問題協議会を設立。近代化設備整備(ホーム、軌道改修、車両更新等)の費用として約5億円が必要だが資金調達の目処なし
  • 2006年1月 株式会社ライトレール銚子電鉄再生問題に関する調査業務の委託契約を締結

 ※05年度の乗客数1792人/日。ピーク時の3割弱。銚子市観光協会や旅館組合、町内連協などが電車存続を願って約8万名の署名。銚子市議会も全会一致で採択。再生問題協議会において運行維持が必要と判断された場合、銚子市銚子電鉄、市民等による「銚子電鉄再生支援協議会」を正式に発足させ、運行維持のため行政、市民、地元企業等が一体となって行う具体的支援策を盛り込んだ再生計画(おおむね5年間程度)をつくる予定だった
 ※野平前市長は2006年3月定例会で「19年度の補助金も無理だということになりますと、その間にどういう事態が発生して運行がどうなっちゃうのかという非常に危険な事態も発生されます」と発言。他の市会での発言を見ている限り、野平としては銚子電鉄廃止やむなしの方向へ持っていきたかったというのが推測できる

  • 2006年4月 第二回銚子電鉄再生問題協議会
  • 2006年5月 銚子電鉄側が、銚子市へ鉄道の存続のための支援を要請する文書を提出し、それ以降、銚子電鉄再生問題協議会が中止となる。支援要請の中身について市会でも質問が出ているが、内情は不明。市側は「近代化設備整備計画を含めた事業計画について見直したいとの申し出」と捉えた。
  • 2006年7月 銚子市長選に有力3者が立候補。接戦の末、現職の野平市長が落選し、銚子電鉄存続に理解を示していた岡野俊昭(元中学校長)が市長に就任
  • 2006年8月 内山前社長が業務上横領の罪で逮捕→借金は1億円以上で、一部はヤミ金から借りているとも
  • 2006年9月 銚子市銚子電鉄対策プロジェクト会議を発足
  • 2006年10月 国土交通省が保安検査。かなり厳しい意見をそこで言及
  • 2006年11月 「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」の一言がホームページ掲載。国交省より改善命令
  • 2006年12月 ぬれ煎餅で1000万円の"臨時収入"→車両の点検費用
  • 2007年1月 銚子電鉄が改善報告書提出

ということになる。
 正直、2006年夏まで市役所も市議会も市民も、旧態依然とした署名やPR活動以外、何も動きらしい動きをしてこなかった。それが、7月以降、市長選で岡野新市長の誕生、内山前社長逮捕、国交省の検査で極めて厳しい意見……と市政と会社を巡る状況が一変する。
 このわずか5年の間で、市長が二度も変わって政争や対立が相次いでいたり、銚子電鉄の前社長の不正流用問題が浮上したり、国交省から設備改善を求める声が出てきたり……と、銚子ならではの事情があったことは致し方ない面もある。
 でも、県の補助が打ち切られた2002年、いやもっと前から、選挙戦でも市議会でも市民の間でもきちんと銚子電鉄の将来像について語っていれば、もう少し違った展開を見せることができたかもしれない。銚子の市長や市議の名前で検索すると過去の政争についてネガティブキャンペーンを張ったサイトをいくつか見つけることができたが、その情熱の一部でも銚子電鉄について向けて欲しかった。と、ヨソ者が後からぼやいても仕方はないんだけどなあ。

銚子市長名による「銚子電鉄問題への市の対応について」という文書

 さて、本論に戻そう。
 基本的に上の年譜を使ってここ5年ほどの出来事を追うと、

  • 不正発覚→補助金中止→運転資金の枯渇→経営危機

という流れであったことを把握することができる。
 となると、

  • 前社長の不正の解決→市などの補助金再開→運転資金の確保→将来を見据えた事業計画の策定→設備近代化への投資

というのが、銚子電鉄復活のための解決の糸口となるのだろう。
 ここで気になるのは、当の地元の銚子市の動き。ぬれ煎餅騒動以降、「なぜ銚子市銚子電鉄の支援に一生懸命やらんのや」*3というご意見やご批判が山ほどきたのだろう。今でも市のホームページのトップに、冒頭で紹介した銚子電鉄問題への市の対応についてという文書がリンクされている。
 ここで「近代化補助を行うための条件」として、

  • 1.事業計画の提出→実現性のある事業計画が未提出
  • 2.前社長不正借入問題の解決→債権者及び債権額が未確定
  • 3.経営状況等の公表→経理状況等を市民に公表すべき
  • 4.自己負担分の確保→近代化補助に係る自己負担分を現段階で確保できていない

の4点が指摘されている。その上で「事業改善命令を受けての市の見解」として、

  • 鉄道の安全確保へ向けた会社側の最大限の努力を望んでいます。
  • 『財政的支援』については、『近代化補助を行うための条件』が満たされた段階で国、県と相談しながら早急に検討します。

の2つの要望を述べている。これは並大抵の施策でクリアーできる問題ではない。
 銚子市議会での2007年6月の市長の答弁を見てみると、

その後、市は銚子電鉄に対し実現性のある事業計画の提示を要求しておりますが、現時点で銚子電鉄側から実現性のある事業計画は提出されておりませんので、正式な協議は行っておりません。そのため、実施する設備整備の具体的な経費についても市に示されておりません。(中略)してくれない、してくれない、補助してくれないといいますが、市民の大事な税金を底の見えない、いわば底なし沼に銭を投げるようなことはできないということです。やっぱり貴重なお金は慎重に扱っていきたいと、そのように考えております。

としている。「市長や市役所は本気で救済する気がないのでは」「再建へのハードルが高すぎるのでは」といぶかる向きもあるようだが、国なり県なり市なりの税金を投じるならば当然必要なことだろう。前社長の不正借入問題には、千葉地裁が2007年7月に執行猶予付きの判決を出している。でも、不正借入の金額や被害者が確定しない段階で、銚子市が税金を投じるというわけにもいけない。
 で、銚子市は、ぬれ煎餅騒動からこの1年、具体的に何をしているのかというと……どうもカネのかからない宣伝程度のことしかしていないらしい。銚子市企画部長が2007年6月定例会で「銚子電気鉄道につきましては、銚子電鉄対策プロジェクトチームをさらに強化し、観光振興と一体となった銚子電鉄のPRなどを行って支援していく予定でございます」と言及しているけど、今さらPRというのもズレた話である。
 銚子電鉄問題への市の対応についての「プロジェクトチームの実績」という項目に市側の取り組みが記載されているが、「PRに努めます」とか「呼びかけました」とかそういうのばかり。「銚子電鉄の存続に向け最大限の努力をしています。」の割には役所の自己満足程度のことしかできていない。フイルムコミッションやPR活動で鉄道を取り上げられてなんとかなるほど生やさしい問題ではない。
 市議会の答弁を見ると「市側からアドバイスをしては」とか「自主再建案のほかにも第三セクター民事再生法等の方法も視野に入れた再建案を考えるべきでは」との意見もあったようだが、事態の解決はまず会社次第……と傍観を決め込めているらしい。でも、前社長の不正流用にこだわって思考停止に陥っている現状では、市民に問題提起をすることすらできない。
 ここで市長や市役所、そして市民たちがやらねばいけないのは、銚子という自治体の"まちづくり"をしていく中で、銚子電鉄をどのように位置づけていくのか、自分たちの手で考え抜くことなのだろう。これは銚子電鉄鉄道部次長が本書で訴えかけていた理想とも合致する。その結果、廃止という決断が出たとしても致し方ない。存廃を判断するのは、市税を負担している銚子市民の責務でもあるからだ。

中心市街地地区の都市計画に銚子電鉄を位置づけてこなかった銚子市

 ただ、銚子市役所は、都市計画や将来計画の中で銚子電鉄をどのように考えていくのか。近年、その課題にはあえて触れてこなかった。
 ぬれ煎餅騒動から半年後の2007年3月、銚子市銚子市中心市街地地区の都市再生整備計画を発表している。ただ、その計画書を見ても、

市街地の道路を整備改善することにより、良好な都市環境、都市景観を形成し、自動車交通及び歩行者の利便性、快適性の向上を図る。

とあるだけ。銚子電鉄に関する記述は一箇所もない。交通問題に関しては、鉄道やバスよりも、むしろ手狭な市道の整備拡充の方が注目されているようだ。まちづくりの基本プランの中で鉄道をどうするのか。市役所も市長も市議会議員もイメージできていないのだろう。
 もちろん、市民も市役所も、ある程度、銚子電鉄に対する思い入れはあるのだろう。町のシンボルととしての雑然たるイメージも持っていると思う。
 ただ、正直なところ、人口7万人の銚子市民にとって、鉄道存続のプライオリティーはさほど高くないのかもしれない。一民間企業である銚子電鉄に財政支援を行うことに批判的な意見も当然ながらある。銚子市銚子市議会でも醒めた意見があるのは否定できない。平成18年6月定例会*4平成18年9月定例会*5を参照のこと。
 前項では、銚子市の姿勢を批判してみたが、銚子市が電鉄の支援に積極的になれないという気持ちもある程度は理解できる。実際、今の銚子電鉄に資金を投じて何とかなるのか。市会も市役所も踏み込んで発言できないのは、銚子電鉄支援問題と市財政問題とが直結していることを自覚しているからだろう。
 銚子電鉄を取り巻く課題は上の「近代化補助を行うための条件」として挙げられている4点以外にもいくつかある。

  • 銚子市の財政事情が深刻になりつつあって、億単位の支援をする余裕がない。04年に公営国民宿舎を閉鎖し、08年には2校ある市立高校の一つを閉校する。
  • 2007年段階、銚子市民にとって、銚子電鉄よりむしろ銚子市立総合病院の問題の方がより切実だった。病院財政もかなり大変になっているらしいし、医師不足で2ヶ月ほど入院患者受け入れを止めていた
  • 銚子市は、千葉交通(銚子電鉄のもと親会社)の路線バスにも支援を行っている。07年度は長崎線千葉科学大学線など銚子電鉄の並行路線も含む3路線合計で1,162万円。並行する鉄道とバス。両方に財政支援続けるというのは難しいだろう(下の写真は電車を追い抜いていく千葉交バス)。


……などなどそれぞれ解決しづらい事情があるということもなんとなく推察できる。
 ただ、市民と市役所がやる気にならないと、物事は何も進まない。国交省は「次年度の国土交通省鉄道局の目玉は「がんばる地域・事業者を支援」 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月」でも紹介したように、やる気のある自治体とそうでないところの選別を始めている。昔のように全国の赤字ローカル鉄道へ同じような補助金を出していた……という時代はとっくの昔に終わってしまった。昨年10月1日に施行された地域公共交通の活性化及び再生に関する法律と連動して打ち出された施策を見ていると、その線引きはかなり高くなっている。
 それは千葉県も同様だ。いすみ鉄道の存廃問題がクローズアップされ、千葉都市モノレール北総鉄道、成田新高速線……とやややこしい三セク系鉄道をたくさん抱えている中で、銚子電鉄にだけ特別に支援の手をさしのべることはできない。市民以外の県民を納得させるだけの意欲と根拠が必要である。
 そうした国や県を納得させるための下地を造っていくこと。それこそが、いま市役所と市民に求められていることなんだろう。でも……実際はどうなんだろう。銚子電鉄がマスコミやネットで大々的に取り上げられる一方、それ以外の関係者から前向きな言葉はなかなか発信されてこない。そこが一番悩ましいところなんだろう。
 もちろん、そうした私の指摘については、「がんばれ!銚子電鉄」の著者である鉄道部次長が一番よく分かっているはず。次回はヨソ者が勝手に銚子電鉄の再建策を考えてみたけど(銚子電鉄シリーズその3) - とれいん工房の汽車旅12ヵ月は、その著者が提案したプランについて考えていきたいと思う。<参考>
銚子電鉄と国立公文書館に行ってきました。 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月
「週刊こどもニュース」を見て、ローカル線問題について考えた。 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月
ぬれ煎餅と銚子電鉄に可能性を見出したがった人たち(銚子電鉄シリーズその4) - とれいん工房の汽車旅12ヵ月


*1:市議会で言及

*2:「国の考え方としては、銚子電鉄の前社長の不正借り入れなどによりまして、鉄道事業の運営に大きな支障が発生をするというふうに心配をしてきていると。特にある企業がと言っておりますが、銚子電鉄に対して払うべき売掛金債権、すなわちぬれせんべいを大量に売っていただいている東京の某巨大企業に対して、いわゆる街金業者が差し押さえの手続を裁判手続として正式にやってきたと。したがって、銚子電鉄が当てにしていたこの再建の回収はその場でフリーズされてしまうということで、これが数千万円のオーダーのお金でございますので、資金繰りがここでそれだけ見込みが食い違ったということで、相当長期にわたるトラブルになるであろうということを鉄道部長から知らされました。そういう状況を見て、資金繰りに相当心配が近い将来起こるのではないかという判断をされたのが今回の訪問の背景のようでございます。さらに、お国としては、大勢の市民から存続要望の出ている銚子電鉄に対し、銚子市が何らかの判断を示すべきではないかということを、市に言ってきたと、こういうことでございます。

*3:大阪弁なのは他意ありません

*4:銚子電鉄の残すか残さないという物の見方、考え方というのは、観光資源として残すのかあるいはお客様を運ぶために残すのか、論点が別れると思うんです。自分は観光資源として残すのがいいのか悪いのか、この議論をやっぱり最重要課題にしてほしいな。人を運ぶためであれば、簡単に言えばもう役目は終わったのかなと思うんですけれども、今でも存続し、レトロな部分で皆さんから親しまれ、フィルムコミッションでも大いに活用されているこの銚子電気鉄道は、銚子の観光の資源として生かすのか、残すのか」

*5:「例えば、このままでいったら銚子電鉄への補助金だって、正直言って私は地元ですので全面的に支援をしたい。市立病院だって本当に存続をさせたい。思っていますが、今の財政状況と個別企業の状態、事業状態だとか、例えば銚子電鉄を見れば、かなり想像以上の状態だと思う。」