川崎重工業が時速350キロを越える「efSET(イーエフセット)」の独自開発に着手するんだとか。

katamachi2008-09-12

 川崎重工業は11日、時速350キロメートルで営業運転する高速鉄道車両の開発に着手すると発表した。2010年3月末までに開発を終える計画だ。
時速350キロの高速鉄道車両、川崎重工が開発着手日経ネット、9月11日

 凄いねえ。川重。新車両「efSET(イーエフセット)」か。名前はあまりカッコ良くないなあ。
 ポイントは、

  • 時速350キロは国内の計画中の新幹線電車よりも速い点
  • JRと共同で開発してきた新幹線や在来線特急の技術を応用して輸出するのではなく、「高性能車両を独自に開発」するという点

の二つ。
 これまでも台湾や中国などに輸出実績はあったけれどもそれは国内向け車両の枠を越えるものではなかった。
 そもそも日本の鉄道車両メーカーは、国鉄の技術と人を核とした護送船団方式っぽいやりかたを続けてきた。分割民営化後も、JRや私鉄各社といかに取引を拡大するのかかが課題となってきた。だからこそ、鉄道各社から技術者のOBを招いたりしてコネクション作りに精を出してきたのだけど、今後はそこらの先行きが不透明。大口取引先であるJR東日本が新津の自社工場で新車を作り出したというのも影響している。
 最近、

JR東海:日本車輌製造にTOB 一貫体制築く毎日新聞、2008/08/18

  • 日立→英国海峡線(CTRL)向けの車両174両をイギリスに輸出

日立の電車、鉄道発祥の地・英国へ朝日新聞、2008/09/10
イギリスで走行する「かもめ」モドキの日立製電車 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月
と大きな動きが立て続けに起きている。東急車輌JR東日本との提携を深めているし、近畿車輛もLRVなどの開発に着手している。各社とも生産体制の強化に努めているようだが、受注が殺到していてかなり大変だとも聞く。
 そして、川重は独自開発。JRの影響下から脱皮しようとするのか。
 投資額不明。商機を狙って開発を急ぐのはいいけど間に合うのか。そこら辺に一抹の不安はあるけど、でもリニアよりは夢はある。はたしてヨーロッパ市場でどこまで対抗できるのか、不安と期待が入り交じった複雑な感情はあるのだけど、それはまた別の話。