「D51撮影、線路侵入男」って、いわゆるマニアじゃないですよ。
D51撮影、線路侵入男まで…緊急停車相次ぐ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070204-00000202-yom-soci
2月4日7時49分 読売新聞
なんか凄いことになっていますね。上の記事。
デジカメと携帯の写メールが普及したここ5年ほど、誰でも簡単に写真を撮れるようになったからか、沿線でイベント列車を狙う人が増えてきました。それを見ていると、かなり危なっかしいんですね。
先月、鹿島鉄道の坂戸駅で気動車を待っていたら、第4種踏切の柵に入って撮ろうとした近所のオッチャンがいました。危ないよ、と声をかけたらすぐに脇へ移動されましたが、後で話を聞くと駅に到着するところだし、スピードも遅いから大丈夫と思っていた......と。
かく言う自分も、以前は鉄道写真にほとんど関心がありませんでした。三年前にデジカメを買ってからパチパチ撮るようになった......まあ業界の新参者です。撮影地とかは行ったことがないし、興味がない。ただ、近年、イベント列車とか趣味的要素の高い列車をホームで待っていると、あまり鉄道写真に慣れてなさそうな年配の方、そして中高生ぐらいの子がホームから乗り出して撮ろうとしているシーンをよく見かけるようになりました。通りすがりの人が携帯電話で撮ろうとして対象物にやけに接近しているのとか。怖いよ。あれ。そういや、1976年に東海道本線で運転された「京阪100年号」の時に亡くなったのは小学生だったと記憶しています。
で、本件に関して。
3日も、約500人を乗せて内房線富浦―那古船形駅間を走行中に、線路わきから身を乗り出すようにして撮影していたファンがいたために急停車したほか、那古船形―館山駅間で、60歳代の男性が線路上に寝転がってカメラを構えていたことから停車した。警察官が男性を注意した。
さて、このトラブルの主。いわゆる鉄道オタクとか鉄道マニアといわれる人種とは違うと思います。「線路上に寝転がってカメラを構えていた」なんて、SLブームを経た団塊の世代以上の古手はしませんよ。
そもそも写真撮影に手慣れた連中は、線路脇に乗り出したり線路内に入ったりして蒸気機関車をアップで撮るようなことはしないでしょう。あまりにもベタなアングルだし、いい画像が撮れるとも思わない。一回きりのチャンスにそんなリスクのあることはしませんよ。フツー、マニアなら編成全体が入るようなロングを撮れる場所を狙うでしょう。もしアップを撮りたいなら、望遠レンズを持ってカーブで構えれば造作ないこと。「鉄道ダイヤ情報」なんかを一生懸命読み込んでいる若い子なんかも同様。慣れた子はバカなことはしない。むしろ、何も知らない無垢な人の方が無茶な行動をしたりする。
それとは別に、マニアの集まる撮影名所のお立ち台を巡るトラブルというのも依然として残っていたりするのだけど。まあ、それはそれ。とにかく、鉄道写真を巡るトラブルって、この業界に詳しくない人が起こすもの、どっぷり浸かっているからこそ周りが見えない人。その2パターンがあるということは確認しておいた方がいい。
あと、"SLの保存運転による地域おこし"というのはそれなりに意義のあることだと思うけど、1日や2日限定で、思いつきのように新規の路線で新規の臨時列車を運転する風潮って、そろそろ終わってくれないかなあ。17年前の京葉線で、今回と同じD51-498が走ったときに起きたトラブルなんてみんな忘れてしまったのかな。
日数を限って臨時運転してしまうと、その日にマニアも近所の人も集中してしまってトラブルが起きてしまう。本気でやるつもりなら、10日ぐらいはまとめて運転するぐらいの気合いでやらないとダメでしょう。それに、国鉄型車両を使ったリバイバルトレインってのもどうなんだろうと思います。昨秋、磐越西線で運転された「DD53ばんえつ物語号」なんてその愚の骨頂と思ったりもするのだけど、それはまた別の話。