九州新幹線西九州(長崎)ルートが一気に動いた!

 九州新幹線西九州(長崎)ルート建設問題で、長崎、佐賀両県とJR九州は17日夜、早期着工に向けて3者でまとめた合意案を正式に発表した。同ルート建設に伴う並行在来線肥前山口諫早間)は、JR九州が20年間運行し、赤字は3者で負担するなどが柱。政府・与党は本年度内に「経営分離ではなく、並行在来線の沿線自治体の同意は不要」と判断、同案を了承する見通しで、同ルート着工への動きが前進しそうだ。
(中略)経営分離に反対している佐賀県鹿島市は「(どう判断するか)時間がほしい」としている。
新幹線西九州ルート 並行在来線20年維持 JRと2県合意を発表路線、14億円売却西日本新聞、2007/12/18

 時事通信が「財源確保「年度中にめど」=整備新幹線未着工区間−政府・与党合意」と伝えた後、ここ数日、各新聞九州新幹線長崎ルートについて報道していました。
北海道新幹線の札幌延長、そして北陸新幹線敦賀延長については障壁となる要素は少ないのでゴーサインが出そうな雰囲気でしたが、長崎ルートに関してはJRからの在来線分離に鹿島市が強硬に反対していました。そこらの事情は鹿島市に事務局があるJR長崎本線存続期成会を参照のこと。
 この状況では次年度予算での採択は難しい。そこで、長崎県佐賀県JR九州、さらに政府・与党整備新幹線検討委員会や国土交通省財務省が最終調整を行っていたのでしょう。その詳細を西日本新聞が18日の朝刊で伝えています。

  • 鉄道施設を長崎県佐賀県が所有し、運行をJR九州が担当する「上下分離方式」。JRは両県に14億円で売却*1
  • JR九州が営業を行うが、「保証期限を20年とした。21年目以降は3者で再度協議する」
  • 特急は上下10本程度(現50本程度)。普通と運賃は現状維持。ディーゼルカーに変更(特急は?)。
  • 赤字額は年間約1.7億円。JRが1億円負担。両県が0.7億円(施設売却費でまかなう)
  • 地元同意は不要

 突然、状況が動いてしまいました。あとは鹿島市財務省がどう動くかですね。今月中に決着がつくのだろうか。
 正直なところ、整備新幹線。現在の建設路線以上の延長って必要なんですかね。一応、採算面では問題はないし、経済効果が期待できる……とされてはいます。でも、そこらの数字が眉唾だというのは、平成になって20年近くの間に開業した新線の散々たる営業成績が証明してくれます。来年の衆院選に備えての選挙対策だというのがミエミエなのが情けなく思うのですが、それはまた別の話。

*1:国土交通省は4日、廃止が相次ぐ地方路線を支援するため、鉄道事業法などを改正する方針を固めた。これまで認められなかった、沿線自治体が土地や鉄道施設を保有し、事業者に無償貸与する「公有民営」という新たな上下分離方式の営業形態を認める。経営難の地方鉄道支援…法改正方針「公有民営」営業導入読売新聞、2007/12/05