日本地図のどこにあるのか一番知られていない県は福井県と徳島県

katamachi2008-07-09

 文部科学省国立教育政策研究所は27日、小学6年と中学3年を対象にした社会科テスト(特定課題調査)の結果を公表した。(中略)都道府県名から地図上の位置を選ぶ問題(小6)では、47都道府県の平均正答率が54・7%。福井と徳島の39・9%が最低だった。鳥取を島根の位置(誤答率18・7%)としたり、秋田を岩手の位置(16・6%)とするなど、隣接県と間違えるケースが目立った。
社会科テスト:卑弥呼99%、勝海舟28% 近現代、正答率低く−−教育政策研調査毎日新聞、2008/06/28

 ちょっと前の記事だけど、この文部科学省国立教育政策研究所の調査が気になった。元となったpdfファイルはこれ
 名称から地図上の位置を選ぶ問題が小学六年生と中学三年生に出されて、正答率が低かった"ワースト10"が以下の県になる。

名称から地図上の位置を選ぶ問題の正答率ワースト10

県名 小6正答率 中3正答率
福井 39.9 47.7
徳島 39.9 48.3
宮崎 40.1  −
島根 40.2 54.5
岡山 41.3 54.5
福岡 41.8 62.6
山梨 43.0 56.4
鳥取 43.5  −
岐阜 44.2 58.0
佐賀 44.5  −

※単位%。「−」は出題なし。

 ちなみに、知名度トップは北海道で99.8%。まあ、そうだよなあ。続いて、2位・青森県、3位・沖縄県も85%を越えている。以下、4位・秋田、5位・岩手、6位・千葉県、7位・東京都、8位・鹿児島県、9位・埼玉県、10位石川県……という順になる。
 昔、関西の受験塾で小学生を教えていた経験からすると、北関東の茨城・栃木・群馬・埼玉あたりが下位に来るのかと思っていたけど、福井と徳島、宮崎がワースト3なのか。岡山や福岡も知名度が低いのが意外と言えば意外。「県の知名度=地図で知っている」というワケでもないんだね。
 あと、「隣接している県と誤答している例」という項目もあって、

というところが誤答率が高かった組み合わせ。あとは、徳島・香川・愛媛・高知県の四国4県がごっちゃになっているのもかなり高い。
 島根と鳥取はやはり……という感じ。字面も似ているし、判別しにくいんだろうな。

明治維新の偉人たちの知名度は極端に低い

 これには地理関係だけでなく、歴史関係についての調査もある。
 「人物の業績を選ぶ問題の結果」というのがあって、日本史に出てくる著名な人物でありながら名前と業績が一致してこない人は、

と、明治維新期の人たちがずらーっと並ぶ。
 大河ドラマでも近代あたりを題材にすると視聴率は極端に落ちると言うし、日本人にはあまり人気のない時代の人たちだからか。産経新聞の記事だと、

研究所では「明治の元勲は功績が似通っているうえ、エピソードが少ないので、覚えにくいのではないか」としている。

としている。
 功績が似通っているなら、教科書に登場してくる人物を整理すればいいような気もする。でも、例の「新しい歴史教科書」騒動があった十数年前に、逆に明治維新以降の近代史が重視されるようになったんだよなあ。
 あと、これって問題の出し方が悪いような。大久保利通が薩摩、木戸孝充が長州、大隈重信が佐賀の出身であると言うことは、歴史を学ぶ上でどれぐらい意味があることなんだろうか。薩長土肥のいずれかの出身っていう大雑把な理解でいいような気もする。島根はどこか、鳥取はどこかという地理の問題じゃないんだし。そんなどうでもいいことを覚えさせさられることも近代史が人気のない理由の一つのような気もする。
 ちなみに、知名度が高いのは、

  • 1 卑弥呼   「邪馬台国の女王になった」            99.0%
  • 2 ザビエル  「日本にキリスト教を伝えた」           98.2%
  • 3 ペリー   「黒船で来航し幕府に開国を迫った」        95.8%

の3人。トップ3って、みんな日本人離れした名前だからインパクトがあるのかなあと思ったりもするのだけど、それはまた別の話。